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ルイヴィトンに買収されるティファニー

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ルイヴィトンと買収されるティファニー

2019年10月28日、LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)がティファニーに買収を提案しているというニュースがあった。財務の観点から2社を見てみよう。

◆LVMHとティファニーの比較

上図はLVMHとティファニーの

売上、純利益、フリーキャッシュフローを比較したもの。

約10倍の規模の違いがあることが判る。

ちなみにLVMH (モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)は、フランス・パリを本拠地とする数々のブランドを傘下に治めるコングロマリットで、M&Aで急成長している。

LVMHの傘下のブランドを見てみよう。

◆LVMH参加のブランド群(by wikipedia)

ブランドに詳しくない私でも、聞いた事がある有名ブランドが傘下に治められている。

ドン・ペリニョン ヘネシー モエ・エ・シャンドン クリスチャン・ディオール フェンディ ロロ・ピアーナ ルイヴィトン ブルガリタグ ホイヤー ぐらいは聞いた事がある。

アードベッグ ベルルティ アクアディパルマ ベルヴェデーレ セリーヌ ベネフィットコスメティック ショーメ ボデガヌマンシア チャールズ&キース フェンティビューティーbyリアーナ フレッド ケープメンテル  フレッシュ ウブロ シャンドン エミリオ・プッチ ジバンシィパルファム シャトーシュヴァルブラン ゲラン シャトー・ディケム Fenty(ブランド) キャットフォンDビューティー クラウディベイ  ジバンシィ ケンゾウパルファム  ケンゾー メゾン・フランシス・クルジャン グレンモランジー ロエベ メイクアップフォーエバー マークジェイコブスビューティー クリュッグ  パルファムクリスチャンディオール メルシエ マーク・ジェイコブス ロエベ パフューム モイナ  ニュートン・ヴィンヤード ニコラス・カークウッド  ルイナール パトー  テラサスデロスアンデス リモワ  ヴーヴ・クリコ トーマスピンク  ボルカンデミティエラ   ウェンジュン  

LVMHは経営に行き詰っている(効率的でない)企業を買収し、立て直す事で成長をしているらしい。財務の観点から、ティファニーとLVMHについて、この点をひも解いてみよう。

◆10年分の財務諸表

左:ティファニー、右:LVMH

ティファニーの売上は一時停滞しつつも伸びている

LVMHの売上は綺麗に伸びている

負債の比率は、どちらも健全

ブランドといえば、気になるのは利益率。
利益率の高さがブランド価値を表しているといっても過言ではない。
利益率を見てみよう。

◆利益率について

ブランドは安売りせずに高い利益率で稼ぐビジネス。

ティファニーもLVMHも同程度の利益率を確保している。
つまり、LVMHがティファニーを買収しても利益率は、劣化しないという事である。
LVMHが買収する場合、このあたりも気にしているであろう。

そして、次に気になるのは、効率性。

LVMHは経営に行き詰っている(効率的でない)企業を買収し、立て直すと言うけれど、その兆候はあるのだろうか?

◆棚卸資産回転日数、キャッシュコンバージョンサイクル

ティファニー

  • 棚卸資産回転日数: 523.8
  • キャッシュコンバージョンサイクル: 496.55日

LVMH

  • 棚卸資産回転日数: 273.23
  • キャッシュコンバージョンサイクル: 181.37日

ブランド品、宝飾品は流行り廃りがあまりないのかもしれないけれど、流石に棚卸資産回転日数が523.8日(1年以上)というのは長すぎる気がする。財務的に差し当たって問題ないから、気が緩んだ経営をしている様にも見える。

一方で、LVMHは273.23日とティファニーと比較すると短く、しかも年々短縮している。その結果、CCCも年々短くなり、資金効率も改善している。

(一般的に、棚卸資産回転日数は10日~70日ぐらいなのだが、ブランドビジネスの棚卸資産回転日数の長さ(273日、523日)、つまり劣化しないブランド価値の強さには、驚かされる。)

良い企業の一つの条件として、

棚卸資産回転日数が一定か、もしくは減少していることを重視している。

これは、計画、実行、評価、改善のPDCAサイクルが機能していて、

サプライチェーンマネジメントの優秀さ経営力の強さを表しているからである。

(まとめ)

財務分析をした結果、
規模の観点からも、収益性の観点からもLVMHに悪い影響はなさそうである。

また、ティファニーには、経営の非効率さが見えるし、
LVMHには、経営手腕の優秀さが見える。

財務の観点から見ると、この買収提案はWin-Winに見える
(補足)

買収されたティファニーはどうなるか?

LVMHの買収戦略は、ブランドを統合して規模の経済性を追求してコストダウンするような方法ではなく、個々のブランド価値を尊重しつつ、これまでのLVMHの経営ノウハウを活用して企業価値を高めるような経営をしているので、ティファニーの愛好家は、ブランドが無くなるという様な心配しなくても大丈夫だと思います。

(おまけ)

仮に、この買収がまとまったとして、どんな戦略をとるのだろうか?ブランドイメージを壊さないようにしながら、芸能人や芸術家、映画なんかとコラボレーションするのだろうか?

(おまけ)

綺麗なティファニーブルーを出すために、結構苦労しました。

ティファニーブルーは難しい。フォントのロゴも難しい・・・

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