【さらっと 銘柄紹介 】Naspers Ltd ナスパーズ (NPSNY)
テンセントの大株主、インターネット・メディア投資会社。
ソフトバンクと類似する企業。ナスパーズについての紹介です。
気になる株をピックアップ、さらっと銘柄を紹介します。
では、さらっと銘柄を紹介します。
Naspers Ltd ナスパーズ (NPSNY)
- 業種:Software&IT Services
- 創立:1925年
- 本社:南アフリカ共和国、西ケープ州、ケープタウン
- 従業員:20,196人
- 時価総額:$760B
- 会社概要:Naspers Limited(Naspers)は、120か国以上で事業を展開するグローバルなインターネットグループおよびテクノロジー投資会社。インターネット、ビデオエンターテインメント、メディアセクターでプラットフォームを運営。Naspersは、Avito、Brainly、Codecademy、Delivery Hero、eMAG、ibibo、iFood、letgo、Media24、Movile、MultiChoice、OLX、PayU、SimiggyWeb、Swiggy、Twiggle、およびUdemyに投資、買収、または構築している。
ナスパーズはTencent(テンセント)の株を31%保有しており、これは、Alibaba(アリババ)の株を25.8%(アリババの香港IPOの情報より。)保有するソフトバンクに似ている。言ってみれば南アフリカのソフトバンクと言える。
テンセントは成長企業の中では珍しく配当を出しているが、大株主のナスパーズの意向が関係しているのではないかと思いナスパーズの財務状況を調べて見る事にした。
では財務諸表を見ていこう。
10年分の財務諸表
- PL
- 売上:最近、急激に下落している
- 利益:急激に増加している。
- ROIC:22.24%
- 運転資本※も急増している。
- (※運転資金と同義)
- BS
- 負債比率は減少。
- 流動資産(現金)の割合が増加している。
- 効率性
- CCC:-1.05日
- 配当性向
- 1.3%
ポイント
ナスパーズは、2018年3月にTencentの株を約2%(33.2%→31.2%)売却している。
プレスリリースを確認すると、今後3年間は追加で売却する予定はなく、売却で得た資金はオンラインフードデリバリやフィンテックなど、次の成長に投資する方針のようだ。
この売却により、利益や運転資本が跳ね上がっている。運転資本は8971億円になっており、この資金を投資に充てるのだろう。
Tencentを主軸として、次の成長産業へ投資するという、ソフトバンクと似た状況のナスパーズ。ここで気になるのが、ナスパーズの時価総額。
ナスパーズおよびソフトバンクの時価総額
ソフトバンクは決算報告で、株主価値について「23(株主価値)=27(保有株式)-4(純負債) 」であり、「現在の株価は安すぎる!」という大風呂敷を広げていた。
では、テンセントの株を31.2%保有するナスパーズにあてはめるとどうなのか?
時価総額の比較
Tencentの株を31.2%保有するナスパーズと
Alibabaの株を25.8%保有するSoftbankグループを時価総額で比較したもの。
ナスパーズは保有株式の49%の時価総額になっている。
アリババの保有株式だけで比較しているので、ソフトバンクに少し不利な状況ではある。
(ソフトバンクグループは、アリババの他にも、ソフトバンク、スプリント、アーム等を保有株している。)
しかし、保有株式の評価とは一致しない。ナスパーズの場合は半分の時価総額である。という事は言える。
つまり、ナスパーズの事例でも、「保有株式=時価総額」ではない。
ソフトバンクの大風呂敷は妥当でないのでは?という気がする。
みんな薄々、気が付いているから、今の株価なのだとは思うけど、孫正義氏は少し煽りすぎな気がする。
もう少しナスパーズの状況を詳しく見て見よう。
もう少し詳しくナスパーズ
ナスパーズの利益(EBITDAベース)を見ると、テンセント以外は、赤字か、ほとんど稼げていない。ソフトバンクがアリババ頼み(実際は通信事業(ソフトバンク、スプリント)も稼いでいる)だと揶揄されるが、ナスパーズはテンセント頼みになっている。
ナスパーズは、2007年時点では、ビデオエンターテイメントおよびメディア収益が89%を占めていたが、少しづつポテンシャルの低い事業を売却し、再構築を行った。その結果、現在では、オンライン収益が100%を占めている。テレビ業界からオンライン業界へ業態を変化させている。この先見性と行動力は特筆すべきものがあるが、テンセント以外は投資時期にあるというのが実態の様である。
ナスパーズの投資先
ナスパーズの投資先は、こんな感じ。(リンク)もとの資料の解像度が悪いので少し見にくいが、Udemy、Flipkart、Malil.ruなどに投資している。
まとめ
ナスパーズの財務状況は悪くないが、テンセント頼みになっている状況。
運転資本が8971億円ある為、余力は十分にあるが、テンセントからの収益がなかった場合、366億/年程度の赤字になる。
今回、テンセントの株の売却で得た運転資本が枯渇しないうちに、次の稼ぎ頭を作るのが急務である。
ナスパーズは3年間はテンセントの株を売却しない予定だとプレスリリースで述べている。テンセントの株主は、3年後の期限となる2021年の3月を一つの目安として、ナスパーズの動向を見守った方が良いだろう。
(おまけ) Mail.ru(MLRYY)について
ナスパーズが27.6%、テンセントが7.4%の株を保有するロシアのインターネット企業Mail.ru。アリババ(AliExpress Russia)とも、ロシアでの事業展開で2019年6月に提携している。(Maill.ruは2009年にFacebookや2011年にTwitterへ出資もしている。(売却済みの様子。))
そんなMail.ruの財務もさらっと確認しておこう。
売上は伸びているが、赤字になったり不安定な状況である。大幅な黒字になっている時期はFacebookやTwitterの株の売却益と推察。
売上の詳細に少し触れると、以下の通り。
売上の比率と成長率の詳細
- 広告:42%(38.6%成長)
- MMO ゲーム:31%(33.7%成長)
- IVAS(※):20%(9.3%成長)
※インターネット付加価値サービス(internet value-added services):バーチャルギフト、ステッカー、プレミアム音楽アクセスなどを表す。
広告とゲームが伸びていて、ここで稼いでいる状況。テンセントと業態が似ている。提携したアリババとしては、Malil.ruにロシアにおける広告力を期待しているのだろうか?
(おまけ) ソフトバンクのアリババ株保有率
ソフトバンクのアリババ株の保有率に関しては29.4%という情報もあったが、香港証券取引所に上場した時(2019/11/25)の情報では25.8%に下落している。発行株式数を増やした影響か、ソフトバンクがアリババ株を担保に融資を受けたり・売却した影響と推察されるが、詳細は不明。
(おまけ) Naspersの場所
ナスパーズ センター
ナスパーズ センター(Google mapsのリンク)
ナスパーズ傘下のMEIDA24のビルにナスパーズが入っているみたい。
ケープタウンの場所と、街の雰囲気を少し調べて見る。
ケープタウンを見下ろしてみる。
南のテーブルマウンテンから見下ろした図。
よく見るとナスパーズのビルが移っている。
せっかく南アフリカに来たので(来てない)
南の喜望峰を調べて見る。
喜望峰
観光地になっていて、人が沢山いる。
意外としょぼい・・・
ここで、右下の宇宙人のような影が気になった。
どうやら、このGoogle Street View を撮影した人の影が映っている。車で撮影もしているけど、車で行けないところは、機材を背負っているらしい。
調べて見ると、この機材を20㎏あるらしい。
出典:Drive South Africa youtubeチャンネルより
Google Street Viewでいろんな所に行けるのも、こういう人達のおかげ。
人がいない、道なき道を突き進む感じが、私のブログの様である。(ダメなやつ。)
(おまけ) 喜望峰
1488年、バルトロメウ=ディアス(バーソロミュー=ディアス)によって発見された喜望峰。荒れる海域だったので、「嵐の岬」と命名された。香辛料貿易のルート短縮に繋がったため、その後、ポルトガル王ジョアン2世に「希望の岬」と改名された。
英語では、「Cape of Good Hope」。つまり、希望峰が正しい。だれかが、喜望峰と暴走族みたいな当て字をするから受験生が困まる事になっている。
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株ブログで夜露死苦と書いている人は居ないだろう。これで、「米国株 夜露死苦」のキーワード検索による流入は増えるはず。(そんな人いない)
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