【2020年1月 ささっと決算】Church & Dwight、Twitter
対象企業:Church & Dwight、Twitter
Earning Callを片っ端から力技で確認。
◆Church & Dwigh(チャーチ・アンド・ドワイト))
概況
- 売上高が2年連続で4%増加。
- 2000年以降、M&Aで主力製品の12個のうち11個を買収。(10個が成長またはシェアを維持。ドライシャンプー、グミビタミン、女性の脱毛、フロス、薄毛解消ソリューション等を買収。)
- 2000年時点で保有していたブランドはARM&HAMMER。
- 12の主力製品が収益と利益の80%を占める
- インターナショナルは9.2%のオーガニックグロース
- 従業員あたりの売上が高い。
- 売上の8%はオンライン。(店舗ピックアップは含まない。)
3年間で見た傾向
3年間で見た傾向は以下の通り。
- 家庭用品の割合が多い。
- パーソナルケアが成長している。
- 米国の売上が76%を占める。
- 海外が成長しているが、国内も成長している。
なぜ成長できるのか?
- 売上が成長しているのは、2000年以降、M&Aで主力製品の12個のうち11個を買収しているから。
- M&Aで成功するのは、業界シェアが1位2位の高い成長率・利益率のものを買収し、効率化された自社のサプライチェーンに乗せるから。
- 効率の良さは、一人当たりの売上の高さからも明白って事らしい。
- 従業員が4,800人しかいないため、迅速に意思決定・行動でき、コミュニケーションが容易になり、変化にうまく適応できる。
製品について
ドライシャンプー:アメリカの18歳以上の女性は1億2,500万人。 その3分の2は毎日髪を洗っていない。 13%がドライシャンプーを使用している。 世帯の普及率を見ると、米国ではわずか7.5%。起源であり、成熟したドライシャンプー市場の英国と比較すると、まだ中間地点ぐらいの普及率。まだ成長する余地があると見ている。
電動脱毛器:女性用電動脱毛器、FLAWLESS。顔、額、脚、全身を除去するためのツール。世帯の普及率を見ると、米国ではわずか2%。その他の国では2%未満です。まだ成長する余地があると見ている。
グミビタミン:グミの形は、丸薬やカプセルよりも魅力的。2015年の8億ドルから15億ドルに成長した。まだ成長すると見ている。
その他、ヘアケア、オーラルケア、洗剤、水フロッサ、髪の薄毛のサプリメント、コンドーム、妊娠検査キット等を保有している。
小売店の不振の影響
Bed Bath&Beyond(家具・生活用品の小売り)が業績不振により店舗を閉鎖していて、その影響があった。
新型コロナウィルスの影響
FLAWLESS(電動脱毛器)、SPINBRUSH(電動歯ブラシ)、WATERPIK(ウォーターフロス)のサプライヤーに確認。中国の旧正月の延長のため、製造ラインの立ち上げが1~2週間の遅れる見込み。しかし、安全在庫があるので、航空貨物で遅延をいくらか克服することができると見ている。
◆Twitter(ツイッター)
業績
- 総収益3、4億6,600万ドル。15%増加。
- 広告収益、15%増加。
- 主に米国の21%成長によるもの。
- mDAUが前年比で21%増加。
- 2019年に2,600万mDAU増加。1億5200万mDAUを達成。
- 主にコア製品の改善によって達成。
- ほとんどの主要な地域で堅実な実績。前年比で11%増。
- Disney+の世界的なローンチを支援。これは、第4四半期のサクセスストーリーの良い例。
4つの優先事項
- 開発速度・信頼性の向上。アイデアから、製品のリリースまでの時間短縮。
- 健全なオープンな場の提供。(誤解を招く情報等を排除。)
- 収益の持続性の向上(前4半期はバグでパフォーマンスが悪化。)
パフォーマンス重視の広告ビジネスを目指して対応。スーパーボール(アメフト)のトラフィックを処理できたのは良いシグナル。
- 誰どもどこでもTwitterができるようにする。
(昨年、すべてのオフィスと、オフィスがまだ存在していな
い場所に訪問した。サンフランシスコへの集中ではなく労働力を分散するのに努める。)
投資
- PDCAを素早く回すための環境整備に注力。
- エンジニアリング、製品、設計、研究に焦点を合わせて、今年、人員を20%以上増員。2020年は総費用が約20%増加する予想。データセンターへの投資も実施する。
- トピックブラウザ、リスト機能等、タイムラインを充実させるための開発を実施。
- モバイルプロモーション広告フォーマットの新しいバージョンを作成中。(ダイレクトレスポンス広告へより良いパスを作る。)
その他
Twitterでの質問も受け付けていた。(@TwitterIRでツイート)
そして、質問に採用されていた。
まとめ
Earnings Callの冒頭で、
会社の歴史を読み上げるChurch & Dwight。
テンプレなどない世界で模索するTwitter。
両者のビジネスは対照的な印象。
Church & Dwightのビジネスの強さはM&Aとそれを成功させる効率化されたサプライチェーンにあるように思われる。それは、一人当たりの利益の高さに表れている。優秀なブランドをM&Aで買収すると、買収する前の企業の利益より、利益率を向上させることができる。
一人当たりの利益
CHDは確かに一人当たりの利益が高め。
(参考)全体はこんな感じ。
Twitterと(Square)のCEOジャック・ドーシー。
Twitterは、ドーシーの彼女が使っていたチャットツールからヒントを得た様子。
Squareは、友人のお店が決済端末を導入しておらず販売機会を逃したのを見て、携帯電話の付属品でクレジット決済ができる物を作りあげた。
彼は身近な事からヒントを得て、ビジネスに結び付ける才能に長けている。
去年、世界中のオフィスと、オフィスがない地域を旅してまわったというジャック・ドーシー。
現在、開発力向上を強化する投資を実施中だが、彼は世界中を旅して何を発見し何を実現しようとしているのか。注目したい。
(おまけ)
TwitterのmDAUが増えているのって、個人的にはトランプ大統領のTwitter外交が大きいと思う。
(おまけ)
Facebookとは対照的に政治と距離を取るTwitter。
Twitterは質の悪いアカウントの停止するなど、
コミュニティーの質の向上に努めてきている。
(おまけ)
Twitterを使っていて思うのは、決済までの導線が分断されていて、機会損失が大きいように思う。
Twitterのブラウザ機能(Web閲覧機能)はクラッシュする事が多いし、Twitterの匿名性からKYCを満たせず決済に使えない。(他の認証IDと連携させて決済させるような形になるのだろうか?)
広告の拡散性は強いが、決済まで自力で決めきる決定力が弱い。
匿名性によるオープンなコミュニケーションと
匿名性が足かせになる決済との相反性がもどかしいところ。
直近は、動画広告を強化する様子だが、
その次は、この辺りを強化してくるのではないか?と個人的には考えている。
(おまけ)
Twitterを使いながら、
バージョンアップによって、
どのように動画広告が変わっているのか?
コミュニティーの質を上げるためにどのような施策を打っているのか?
決済までの導線をどうやって繋げようとしているのか?
みたいな事を注視して見ていると楽しいと思う。
(例えば、最近、YouTubeの動画がサイトに飛ばなくても動画再生ができるようになった気がする。)
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