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経済は信用で回っている(信用情報の業界動向)

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経済は信用で回っている(信用情報の業界動向)

信用情報の業界が、今後どのように変化するのか、業界動向について調査してみた。

◆経済は信用で回っている。

香辛料が高価だったオランダ東インド会社の時代から、

リスクを取る人と、それに投資する人がいて経済は回っている。

リスクを取った人が利益を出し、返済+利益を投資家に分配することで、リスクを取った人も投資家も利益を享受する。

基本的には、この仕組みで経済は回っている。

そして、これにレバレッジをかけて経済の拡大を加速させるのが銀行の信用創造である、

例えば、株式会社は、銀行から借金をしたり、社債を発行して借金をしたり、株式を発行して資金調達し、事業で収益を出している。

ここで投資側・お金を貸す側としては、
リスク・信用をどう評価するのか、これがポイントとなる。

◆リスク・信用を評価する機関

事業の内容を評価して投資するのが銀行・投資家の腕の見せ所だが、詳細に審査する前に、スクリーニング手段として、専門機関の情報を使って信用を評価する方法がある。

 

法人(国)の信用を評価するのが

  • スタンダードプアーズ
  • ムーディーズ
  • フィッチ

と言った格付け機関である。

 

個人の信用を評価するのが

  • Experian
  • Equifax
  • TransUnion

と言った信用情報機関である。

 

法人を評価する場合は、企業文化・歴史、成長性、収益性、負債比率といった企業内部の状況と、業界・市場、顧客・取引先・競合といった会社を取り巻く外部環境を調査して評価したりする。

 

では個人の信用情報機関はどうやってリスクを評価しているのか

◆リスクを評価する仕組み

個人の信用・リスクを評価する仕組みには下記のような方法がある。

ブラックリスト

信用情報の簡単な評価方法として、ブラックリストとの突合せがある。
過去に、その人物が破産していないか支払いを延滞していないか?という情報を集めたブラックリストと突合わせるのである。

しかし、これでは、貸してはいけない人と、それ以外の判別しかできない。
これを一歩進化させた仕組みが信用スコア(Credit Score )である。

信用スコア

信用を評価するにあたって、その人の、収入月々の支出借金の返済履歴等を組み合わせて、データを分析し、その人の信用を点数で評価する。その評価に従って、金利を調整しながら、お金を貸したりする。

貸してはいけない人を判別するのがブラックリストで、貸しても良い人を判別するのがクレジットのスコアリング。言わば、スコアリングはホワイトリストを作って市場を拡大する試みとも言える。

(審査の簡便化の流れ)

事業内容を詳細に調査して評価するのが銀行の腕の見せ所ではあるが、一方で、審査を簡便化する流れもある。パッケージローンで、その人の属性(学歴・勤め先・勤続年数・収入)が条件に合致する場合、審査を簡便化し、少し高めの金利で迅速に融資する流れである。属性を使った一種のスコアリングを使った判断とも言えるだろう。いずれにせよ、データの蓄積と分析がポイントである。

◆信用スコアとは

ブラックリストを進化させて、データ分析により、ホワイトリストを作る信用スコアだが、信用スコアはFICOが提供しており、信用情報機関3社(Experian、Equifax,TransUnion)は、このFICOが提供する信用スコアを利用している。

FICOの歴史

  • 1958年、Fair Isaac Corp.はクレジットスコアモデルを作成。
  • 1981年、信用機関のスコアリングモデルを作成。
  • 1989年、汎用のFICOスコアを発表。

しかし、信用情報機関3社も指を咥えて眺めているわけではない。2006年、Equifax、Experian、TransUnionはジョイントベンチャーVantageScoreを設立し、VantageScoreモデルを作成している。(2006年に、FICOが、3社に対して締め出しをしている。と訴えた裁判で、VantageScoreは5.7%しかシェアがないと言う話があった様子。今のシェアの情報は見つからなかった。)

投資する(お金を貸す)際に、リスク・信用を評価するスコアリング。これは、ビジネスの起点の一つとも言える重要なポイントであり、近年のFinTechの盛り上がりもあって、激動の時代に突入している。

例えば、個人情報の扱いが緩い、中国では信用スコアによる経済圏が進んでいる。
(近年は政府から、少し牽制が入っている様子)

◆信用スコア 中国の場合

中国の決済は、Alipay(アリババ)とWeChat(テンセント)の2つがシェアを分け合っている。中国へ旅行に行った人はわかると思うのだが、このどちらかが使えないと日常の生活にも困るぐらい普及している。(物乞いの人が、このQRコード決済に対応していたりする。)

そのAlibabaの傘下のAnt Financialは、信用スコアリングを提供しており、保険や自動車ローンの審査に、この情報が使われている。

この芝麻信用(じーましんよう、セサミ・クレジット)のスコアが良いと、ローンの金利がやすくなったり、提携したサービスが受けられたり、レンタル等のデポジット(保証金)が不要になったりという特典がある。(一定以上のスコアの人が参加できるお見合いパーティー等もあるらしい。)

このスコアは、「学歴・勤務先」「資産」 「返済履歴」「交友関係」「消費行動」から算出されるらしく、この仕組みができてから、みんなが品行方正になったという話もある。

NetflixオリジナルでブラックミラーというSFのオムニバスがあり、Nosedive(ランク社会)という回がある。この話では、SNSの評価によって、受けられるサービスが変わるという背筋が寒くなる社会を描いているのだが、そのドラマのような展開が中国では既に起こっているのである。

◆信用スコア インドの場合

インドの電子決済はGooglePay、PhonePe、PayTMが普及している。電子ウォレットという観点でいうと、PhonePe、PayTMの2社がシェアを奪い合っている

PhonePe

PhonePeがやたらと強いので、調べて見ると、
PhonePeは2016年にFlipkartに買収されている。

PhonePeを買収したFlipkartは、2007年に設立された書籍の販売のオンラインショップで、現在では、家電、ファッション、ホームエッセンシャル&食料品、ライフスタイル製品などのカテゴリに進出している。要するにインド版のAmazonである。実際のところ、インドのAmazonとシェアを分け合っている。(Flipkart54%,Amazon30%)

そして、このFlipkart。実は、2018年8月にWalmartが77%の支配権を取得している。つまり、PhonePeの経営権はWalmartが握っている状態にある。

PayTM

一方で、PayTM。聞いた事がある人もいるのではないだろうか?PayTMにはソフトバンクのビジョンファンドが投資をしている。このPayTMは、Ant Financialや、その親会社のAlibabaからも出資を受けている。

  • 2015年3月 アリババグループが出資
  • 2017年5月 ソフトバンクが出資
  • 2018年8月 バークシャー・ハサウェイが3~4%株式を取得。

そして、PayTMは2019年4月に信用スコアリングが確認できるアプリをリリースしている。

このPayTMの技術・ノウハウはPayPayの立ち上げ時に使われている。因みに、PayPayが日本で実施した「100億円あげちゃうキャンペーン」は、Alipay(Alibaba)とWeChat(Tencent)が2015年の旧正月に中国で実施した、お年玉(紅包)のばら撒きキャンペーンと同じマーケティング方法(今までを通算すると1000億ぐらい使っているのではないかという話もある)である。

◆信用スコア 日本の場合

日本でも、電子決済は激動の時代に突入しており、下記の各社が信用スコアを提供するようである。

  • J.Score(みずほ銀行・ソフトバンク)
  • LINEスコア
  • Yahooスコア
  • ドコモレンディング等

◆今後について

リスク・信用を評価するスコアリング。これは、経済圏・エコシステムを支える重要パーツであり、各社が激しく競り合っている。

データ分析は、お金を出してデータサイエンティストを呼んでくれば何とかなる話なので、分析の強さというよりは、経済圏・エコシステムを持ち、下記のような信用を評価するデータを蓄積できる企業が、どんどん強くなっていくであろう。

信用を評価するためのデータ例

  • 学歴・会社 : SNS,銀行(口座開設時)
  • 消費・支出 : オンラインショップ,決済基盤
  • 貯金・借金 : 銀行,電子ウォレット
  • 趣味・好み : SNS,検索データ
  • 交友関係 : 通信・コミュニケーション,SNS

このように考えると、独占禁止法等、各国の政府から牽制される可能性はあるが、Google, Apple, Facebook, Amazon, Walmart等が銀行業を携えて、信用評価やローンの分野に参入してくる可能性が高いように思われる。

(おまけ)

日本の信用情報機関はJICC、CIC、KSCがある。

  • JICC:消費者金融系で67%が貸金業者。
  • CIC:信販系・クレジット系でスマホの割賦払いはココにのる。ゆうちょや、日本政策金融公庫も加盟している。
  • KSC:全銀協系で官報の自己破産の記録も収集している。奨学金を滞納するとココにのる。

JICC,CICは5年間ブラックリストに載るらしいが、KSCは10年間らしい。

CRINというネットワークで3社が情報共有し、FINEというネットワークでJICCとCICが情報共有している様子。

情報共有されているので、どこかのブラックリストに載ると、他でも借りれなくなるように思うのだが、何か抜け道があるみたい。(未確認)

まぁ、ブラックリストに載ると

賃貸が借りれなくなったりクレジットカードが作れなかったり家・車のローンが借りれなくなったりと大変なことになるので、気を付けましょう。

携帯料金・携帯決済の支払いや、奨学金、家賃の滞納等、気をつけてくださいね。

(おまけ)

アメリカではクレジットヒストリーが重要。

携帯の契約や、賃貸でアパートを借りる際にクレジットヒストリーがないと色々、困ることになる。デポジット(保証金)を積むことで、何とかなったりするのだが、アパートの賃貸費用(引っ越し費用)に更にデポジットを積むことになり、かなりつらい。

そこで、できるだけクレジットカードを使って、クレジットヒストリーを育てることになる。

まぁ、アメリカだと、現金を使うのはチップを払うときぐらいだったりする。(それは言いすぎかな。)

(おまけ)

信用は重要である。

今までは、金銭まわりの信用の積み上げが、お金を借りる際に重要だったが、これからの社会では、もっと広範囲の信用の積み上げが重要になってくる。

言うなれば、人からの信頼が、その人の価値・評価になる

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