M1増加 と 今後の株価
マネーストック、マネーサプライ、マネタリーベースと
財政政策、金融政策についてはこちらで解説しているので、この記事を読んで欲しい。
それを踏まえたうえで、下記の状況を加味して現在のM1と株価の動きを考えてみたい。
- 2020年11月後半のM1の急増
- 一時金給付($600)と追加失業手当(毎週$300)を含む財政政策が可決間近
なお、この記事は一つのアイデアを示唆するものであり、株価の値上がりを保証するものではないので、その点は含みおきください。
Tesla と M1 の推移
M1の動きとTeslaの株の動きをみると上図の様になっている。
M1が増加に少し遅れて株価が上がっているようにも見えるし、ほぼ同時に上がりだしているタイミングもあるように見える。
いずれにせよ、M1の増加と株価には相関がありそうだ。
S&P500 と M1 の推移 (Vol.1)
出典:TradingView
S&P500の株価の推移を見ても同様の動きになっている。
もう少し相関が分かり易いようにグラフを重ねてみよう。
S&P500 と M1 の推移(Vol.2)
出典:TradingView
短期的には株価が上下に変動しつつも、M1の増加をトレースするように株価が上昇している。
ココから言えるのは、手元に増えた現金とほぼ同じペースで株に資金が投入されているという事だ。
一点気になるのは、
直近のM1の急増に、Teslaはついていっているが、S&P500はついていけてない点である。
単に反応しやすい状況にあったTeslaの株価が先に上がっただけで、S&P500が追いかけていくようにも思われるが、
M1とM2の動きを合わせてみながら、もう少し詳しく状況を整理してみよう。
M1とM2の動きからの推察
11月後半、正確には11月23日(8.68%増)と11月30日(5.00%増)の週にM1が急増した。
前週比で、これ程M1が急増した週は、3月以降を見ても見当たらない。グラフのM1の推移を見て貰えれば一目瞭然だろう。
何か大きな異変が起きているのだ。
この理由を色々調べてみたが、それらしい情報は見当たらなかった。
そこで、ここからは推測になるのだが、同時期のM2の推移をみると減少(補足1)が見られる。(季節調整なしは、11月23日の週にM2が減少。季節調整ありは、11月30日の週にM2が減少。)
そして11月後半という時期、コロナの状況悪化によるオンライン購買の活性化といった現状を踏まえると、
M1の増加は11月の後半のブラックフライデー(11/27)、サイバーマンデー(11/30)といった年末商戦に向けて消費者が「貯蓄口座」の現金を「支払口座」へ移管したものと推察される。特に今年は、オンラインの購買が二桁で成長する企業(補足2)が続出する中で、オンライン決済をする人が増加し、現金を持ち歩く人が減少しているので、顕著にM1に傾向がでやすい状況にある様に思われる。
つまり、M1の急増には、単純に金融緩和と財政政策でM1が増加しているだけでなく、年末商戦に向けての支払い現金の確保しているという要素が含まれるように思われる。
もう少し、先の現金の動きを考えて見ると、「支払い用に確保された現金」は支払いによって「企業の売上」となり、「従業員の給与」となって一部がM1に戻ってくるように思われる。
これを要点を整理して手短に言うと、M1の急増が年末商戦に向けて確保された現金であれば、オンラインの売上に結び付く業種に投資するのが得策であるように思われる。
補足1 M1 と M2の動き
出典:FRBのデータを加工したもの
季節調整なしは、11月23日の週にM2が減少。
季節調整ありは、11月30日の週にM2が減少。
M1とM2の傾向として、季節調整なしを見ると、月初にM1が下がり、月末にM2が下がる傾向がある。
これは、振り込まれた給与を月初から月末に向けて使っていくのをしめしているように思われる。また、月末のカード支払いの引き落としが反映されているようにも思われる。
補足2 Targetのトラフィック
出典:Similarweb
年末商戦に向けてTargetのトラフィックは68%増加している。
既存のオフラインを主体とした小売店も、オンラインへの移行がうまくいっていそうだ。その中でも、特に若い利用者層が多いTargetは好調に見える。
次に、もう少し先の話として、一時金($600)と追加失業手当(毎週$300)が給付される見込みとなっている財政出動について考えてみよう。
給付金 と M1 を考えてみる
出典:TradingView
1月から3月末まで、週300ドルの追加失業手当が支払われた場合について考えてみよう。
濃い緑の線は、6月から8月末までのM1の傾きを示している。
この時期は、週600ドルの追加失業手当が支払われていた。
そして、今回は追加失業手当が半額の300ドルになるため、傾きを半分にして、M1を延長した薄い緑の線を引いてみた。
財政出動の法案が可決されても材料出尽くしで、株価が調整する展開もありえるし、オンライン決済の支払いでM1が減少する可能性もあるし、バイデン就任で増税が嫌気されたり、悪化が見込まれている1月の雇用統計にネガティブに反応する可能性があるけれども、
途中で調整がありつつも、M1の増加を伴って、楽観的にはS&P500は$4,000を目指す可能性もある様に思われる。
まとめ
・M1の増加と株価の推移は相関が高いように見える。
・直近のM1の急増はオンラインシフトした年末商戦の要素が含まれる可能性がある。
・ロビンフッダー経由で、米国株投資家にも給付金が配られる可能性がある。
・反応しやすい銘柄と反応しにくい銘柄があるため、短期的にはロビンフッダーがどこに投資しそうかという視点で投資を検討するのも良いかもしれない。
・中期的には、いずれS&PやQQQなどのインデックスも追いついてくるように思われる。
・1月からM1の増加が見込まれているのであれば、その時点で好材料がありそうな高値圏でもみ合っている株のうわ抜けを狙うのも良いかもしれない。
出典:StockChart.com
上記は、高値でもみ合っている株を抜粋したもの。
シンプルに、右肩上がりで高値を追っている銘柄に飛び乗るのも良いけれど、高値でもみ合っている銘柄であれば、うわ抜けした際に、もみ合った価格水準が下値支えになる可能性があるので比較的安全ではないかという事で、高値でもみ合っている銘柄を抜粋している。
抜粋した銘柄に少しコメントしておくと、AAPLやAMZN辺りは年末商戦の好業績が確認できれば、うわ抜けする可能性がある様に思われる。ADBEはSaaS銘柄の代表格とも言える銘柄であるのに、まだもみ合っている状況なので、チャンスかもしれない。ORLYはチャートが微妙に右下がりである点が気になるが、前回の給付金や追加失業手当では、ある程度のまとまったお金が必要になる自動車部品の購入資金に充てられていたので、抜粋してある。今回は前回よりは少ない給付金の配布になるし、時期も違うので、在宅ワークのPC関連やゲーム機器など、もう少し違ったところにお金が流れる可能性もあるが、個人的には注目しておきたい銘柄である。
最後にもう一回、注意点を述べておきたい。この記事は一つのアイデアを示唆するものであり、株価の値上がりを保証するものではないので、その点は含みおきください。
何かの参考になれば幸いです。
おまけ PS5 Cyberpunk2077 Witcher3
600ドルの一時金って何に使われるんだろう?
例えば、最近発売されたPS5って、それぐらいの価格帯だった気がする。
アメリカのAmazon.comで調べてみる。
出典:Amazon.com
品切れになっている。
売り切れで好調なのはいいけれど、給付金需要を享受できないのは残念なところ。
(最近発売されたと言えば、Appleの携帯も買われるかもしれない。)
PS5といえば、最近PS5で「Cyberpunk2077」というソフトが発売された。これがバグだらけで炎上。返金対応する騒ぎになっている。このバグが面白い(ヒドイ)ので、Youtubeで「Cyberpunk2077 bug」で検索する事をお勧めする。
そんな中、遅ればせながら、同じ会社が手掛けた「Witcher3 ワイルドハント」をPS4でやってみる事にした。
まぁ、だいぶ前に発売されたゲームだし、パッチがあたって、バグも発生し無いだろうと思いゲームを始めてみた。
最初は、アイテムが多く、めんど臭さを感じたものの意外と面白い。
と油断していると、随所にバグがあった。
放たれた矢が、戦闘後に空中に静止している!
出典:Wicher3 以下略
ちょっと移動して、いい感じにしてみた。
もう少し移動してみる。
水中から上がった瞬間にイベントが発生したところ、
陸にいると認識できず、街中をクロールで移動。
「Witcher3 ワイルドハント」名称に偽りのないワイルドさである!
そして、極めつけにひどかったのがコレ。
馬に乗ってレースするイベントで
「3、2、1、スタート」と同時に
何故か私だけ海の中に放り出された。
クリア条件「レース(競馬)に勝つ」
水中に放り出されて茫然。
上を見上げても、海面も見えない…
呼吸ゲージの残量が無くなっていく…
「浮き上がる」「速く泳ぐ」でどうやって競馬に勝てば良いんだ…
まぁ、そんなこんなで、とてもワイルドなゲームでおススメです。
何かの参考になれば幸いです。では。
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