株式投資・雑記

給付金相場を整理しておこう

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株式投資・雑記
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今後、役に立つかもしれないので、給付金相場の状況について整理しておこうと思う。

給付金関連のイベントは下記の様なスケジュールであった。

給付金関連のイベント(配布の概況)

  • 2020/12/21 上院下院で景気刺激策の法案が可決(一時給付金$600含む)
  • 2020/12/22 下院議員議長ペロシ(80歳)がTesla株を購入
  • 2020/12/27 トランプが法案にサイン
  • 2020/12/29  給付金受領のツイートを確認。
  • 2020/12/31 ツイッターのアンケートでは10%が受領。(補足)
  • 2020/01/08 確定申告ソフトで給付金の送金ミスを解消
  • 2020/01/15 IRSの給付金送付の目標期限

補足 給付金 受領状況 アンケート


出典:Twitter

アンケート期間が不明ではあるが、Twitterのアンケートでは、12月31日ぐらいの時点で、約10%の人が受領していた様子。

次に株価の動きを見てみよう。

相場の概観

  1. 2020/01/08(金) 09:30頃(NY時間) Bitcoinが直近の天井を付ける。
  2. 2020/01/08(金) 10:30頃(NY時間) TESLAが直近の天井を付ける。
  3. 2020/01/11(月) 13:30頃(NY時間) NIOが直近の天井を付ける。
  4. 2020/01/13(水) 11:30頃(NY時間) PLUGが直近の天井を付ける。
  5. ZMにも資金が流れているが、テーマ株としては弱さが見られる。
  6. 2020/01/05(火) 大統領、上院、下院を民主党が押さえ、財政懸念から金利が上昇
  7. 金利はその後、下落。
  8. 2020/01/06(水) ドル高からドル安トレンドへ
  9. 2020/01/19(火) Netflixが好決算を発表。それをうけてGAFAMが上昇。
  10. GAFAMが上昇した事で、S&P500指数ナスダック指数が上昇。

個人的な解釈だが、これがどういう事かというと、

給付金の追い風を受けて、相場を主導するBitcoinやTeslaなどの時価総額が大きい主力銘柄が上昇していたが、資金の流入がピークを迎え、値動きが悪くなり、2番手、3番手の時価総額が低い銘柄に資金が還流していっているのだと思われる。つまりは、1/8の時点で既に給付金による相場の上昇は一服していたように思われる。

一番分かり易い相場は、大統領が法案にサインしてから、わずか10営業日で一旦終わっていたように見える。

今回の給付は、2回目の給付という事もあるが、スピード感には驚かされる。

確定申告ソフトの給付金送金ミスというトラブルもありながら、この早さである。

整理すると、次回、給付金が配られた場合(金額の大きさで期間が変わるかもしれないが)、10営業日程度でピークが来そうだと言う事を頭の片隅に入れておくと役に立つかもしれない。

と言うような、ザックリとした状況を踏まえて、もう少し詳しく値動きを確認してみよう。

期間別の値動き

銘柄は、出来高・時価総額・テーマ株の3つの観点から、自分の観測範囲の中から、めぼしそうな物を任意で抜粋した。

ポイントを押さえたつもりだが、注目すべき銘柄が抜けていた場合は、ご容赦願いたい。もう一点、比較対象として、ブル3倍のインデックスを抽出しているが、ブル3倍を勧めるものでは無い。

ここでインデックスを採用したのは、相場のテーマが意図しない方向に変わってもカバーできるように、幅広い銘柄を包含するのが適当ではないかと思い、インデックスを採用している。

今回の場合、アフターコロナの株が上がる可能性もあったように思うし、次回も似たような状況のように思われる。

注意:ブル3倍のインデックスについて

長期投資として、ブル3倍は適さないが、短期でリスクをとる場合の選択肢として、ブル3倍のインデックス銘柄を比較として採用した。当然の事ながら、マイナスに触れた場合の振れ幅も大きいので注意が必要だ。(個人的には、短期で限られた資金を有効活用する手段として、ブル3倍を使ったりする。投資資金を3分割して、1回目の資金を投資し、値上がりしたら、資金を追加投入せず、値下がりしたら2回目、3回目と投入するという「安全側に倒して選択肢」の幅を持たせるのに使ったりする。)

1月8日までの値動き(12/22-1/8)


出典:TradingView

期間を絞って1月8日までの動きを見て見ると、下記のようなリターンになっている。

ビットコイン:75%
イーサリアム:94%
テスラ:32%
NIO:19%
PLUG:62%
ARKK:8%
SOXL(半導体3倍ブル):19%
SPXL(S&P3倍ブル):9%
TQQQ(ナスダックブル3倍):8%
TECL(ハイテクブル3倍):5%

少し前から上昇トレンドになっていた仮想通貨が、給付金の追い風の受け皿として、絶好のポジションにいた様に見える。

トレンドとしては、グリーンニューディールのテーマに合致する株の上昇率が高い様に見える。

また、EV、5G、AI等の需要が見込まれる半導体関連の株の上昇率も高い。

SPXLやTQQQのように、3倍のレバレッジをかけると、ARKKのパフォーマンスに近くなっている。

1月15日までの値動き(12/22-1/15)

12月22日あたりから、1月15日までの値動きを見ると、

期間を絞って1月8日までの動きを見て見ると、下記のようなリターンになっている。

ビットコイン:50%
イーサリアム:115%
テスラ:32%
NIO:23%
PLUG:86%
ARKK:8%
SOXL(半導体3倍ブル):42%
SPXL(S&P3倍ブル):9%(図と別に計算)
TQQQ(ナスダックブル3倍):6%
TECL(ハイテクブル3倍):1%

この期間は、主力銘柄から第2、第3の銘柄に資金が流れているようで、ビットコインよりもイーサリアムの値動きが良く、テスラよりも、NIOやPLUGのような銘柄の値動きが良くなっている。時価総額も低いため、値が動き易いようだ。

GAFAは、独占禁止法等で政府から牽制される事が嫌われているのか、GAFAの割合が高いTECLは値動きが悪い。

ARKKは意外と伸びていないが、SPXLやTQQQは更に弱くなっている。

1月末までの値動き(12/22-1/29)

1月末までの値動きを見ると、

ビットコイン:47%
イーサリアム:115%
テスラ:25%
NIO:18%
PLUG:73%
ARKK:2%
SOXL(半導体3倍ブル):17%
SPXL(S&P3倍ブル):1%
TQQQ(ナスダックブル3倍):4%
TECL(ハイテクブル3倍):2%

1月末までの期間で見ると、仮想通貨が意外と強い。Robinhoodが株の売買を制限したこともあり、後半は、一部、仮想通貨に資金が流入したことで仮想通貨が少し持ち直している。

大型株を含むインデックス関連が弱くなっている。ARKKでさえ弱い。

これは、大型株の値動きが悪くなった後に、2番手、3番手の時価総額が低い銘柄に資金が循環して行き、最終的に、一部のロビンフッダーが、更なるリターンを求めて、Reddit掲示板のWSBスレッドに集結し、赤字のペニーストックを煽りだす仕手筋化してしまい相場が混乱。「空売りのヘッジファンド」と「WSB仕手集団」が資金をGamestopの株に集結させたことで、優良株から資金が抜け、更には、不安定な相場を嫌って、全体から投資資金が抜けてしまった様に見える。

ペニーストックが上がり出す相場は、ろくな事がない。

ロビンフッダーはPERもPSRも見ていないなぁ。と思っていたが、一部のロビンフッダーは、遂に業績さえ見なくなってしまった。(正確に言うと、時価総額が低く、浮動株比率が低く、ショート比率が高い株を戦場にしているので、長期投資家とは評価基準が違うだけだけど・・・)

好決算だったMSFT、FB、AAPLでさえ、株価を下げる様な業績と株価がリンクしない混沌とした相場になってしまった。

調整が、すぐに落ち着くのか、長引くのかわからないが、まぁ、相場を乱して買い場を作ってくれたと前向きに捉える事にしよう。

仕手戦が起きた状況を、もう一段深く考えてみよう。

前述のような、全体の流れの踏まえてた上で、俯瞰してみると、仕手戦の発生の起点は、時価総額上位の主導銘柄の動きが悪くなったことにある。

GAFAは政治的な圧力を懸念して敬遠されている様に見えるし、TESLA等の注目が集まる株は、給付金の資金流入が減速して、調整に入った。

そして、貪欲にリターンを求める資金が、主導株から2位3位の魅力的な株に資金が循環していった延長線上の話として、今回は、たまたまペニーストックの仕手戦まで資金が行き着いただけであるように思う。

しかし、なぜ仕手戦まで起きたのかって状況を、もう一段掘り下げて考えると、

この状況は、まともな銘柄への資金の流入が細くなり、ペニーストックに注目が集まりやすい下地ができている状況で、仕手戦がどういうものか評価基準を持たない初心者の参入が多い時に、起こる現象のように思われる。

従って、足元の状況は悪いように思われる。

新規参入は多いけど、資金の流入がない。ということであれば、伸び代が無い2つの悪い条件が揃っている状態のようにも思われる。低位株が上がり出すと相場の終わりが近いと言うことを誰かが言っていたような気がするが、ペニーストックが上がり出す相場とは、こう言う需給の悪さを指しているように思われる。

とはいえ、一度増えたマネーストックは、借金を返済するか、税金として徴収されて政府が借金を返さない限り、減少しないので、(確定申告シーズンが気になるところではあるが、例年の行事なのでそこまで心配することも無いかと思うのだが…)相場が落ち着けば、リターンを求めて株に戻って来るように思われる。

そして、その材料として、「次の給付金の配布タイミング」に注目が集まるところだ。今回のロビンフッダーの暴走が、給付金の配布額の減額や、配布対象の絞り込み等に波及しなければ良いのだが・・・せめて分割配布とかに収まって欲しいところだ。

まとめ

同様になるとは限らないし、責任は取れないけれど、個人的な見解は下記の通り。

  • わかりやすい給付金相場は、大統領のサインから、10営業日で一旦終わり。
    (トラブルがなければ、更に短縮の可能性もある。)
  • 給付時点の注目銘柄が追い風に乗る
  • 政策が追い風の銘柄が強く、向かい風と思われているGAFAは弱かった。
    (インデックスの構成比率は意識しておくと良いだろう。中小型株や半導体指数などGAFA比率が小さいものも、ひとつの選択肢かもしれない。しかし逆に割安になっているGAFAが買われる可能性もある。)
  • 主力銘柄が揉み合いを始めたら、循環相場が始まっている合図。
  • 循環相場は10営業日程度。(ARKK、SOXLが崩れていないことから推察)
  • 2、3番手に資金が向かうが時価総額が低いので上昇率は主力銘柄より高い場合もある。
  • 全体の相場が弱い時に(20営業日後)ペニーストックが上がりだしたら、要注意。

個人的見解として、リスクを抑えるのであれば、上院下院での法案可決を見届けるのが良いだろう。期待先行で株価が上げる曲面もあるが、景気刺激策の減額等で一喜一憂する展開になるように思われる。どっちにしろ実弾が入ってくるのは、上院下院で可決し、大統領が法案にサインした後になるのだ。(大統領は景気刺激策を推進する側なので、サインは形式上のものと捉えて良いだろう。)

未来の事など、保証できないけど、一つのアイデアとして参考になれば幸いです。

おまけ 下院議長 ペロシ


出典:米国下院のメンバーの公開サイト(リンク

下院議長のペロシは、法案が議会通過後に、テスラのオプション(5000万円~1億円)を購入している。まぁ通過後なので、クリーンな取引をしているようにも見えるけど、「君子危うきに近寄らず」と言うように、政治家がこんな取引をすべきではないように思う。

こんな取引をしていると、政治家として大義がどこにあるのか、民衆から疑問を持たれても仕方ないだろう。(ペロシの言い分は、共有財産を夫が運用しているので私は知らないとの事。)

ロビンフッダーの親玉がペロシだったと言うのには驚いたし、十分に裕福であろう80歳のおばあちゃんが、まだ富を追い求めるのかと言う貪欲さにも驚いた。

世の中の仕組みがわかってくると、大人の汚いやり方が見えてきて嫌になってきたりもするのだけど、綺麗事ばかりも言っていられない。

資本の成長率「r」は、労働によって得られる賃金の成長率「g」をつねに上回ると言う『r > g』の式が機能する資本主義の競争社会では、自分の価値基準を見失わないようにしながらも、我々は、賢く生き抜かなければならない

状況しだいでは、給付金が配られる米国よりも、日本の方が厳しい環境にある。国内で給付金が配られないのであれば、我々は、知恵と情報を駆使して海外から自力で給付金を勝ち取らなくてはならないのだ。

「年収300万円の下請けプログラマーがソースを流出させ」「年収1500万円の本部長が下半身を露出させる」という事件が同時に起こる混沌とした世の中で、我々は強く生き抜かなければならないのだ。

おまけ Robinhood

アクセスが集中しすぎたのか、今週は、海外の複数の証券会社のシステムが2回はダウンしていた。

そんな中で、売買はGME(Gamestop)に集中していて、GMEが上昇する中、他の株は軟調な展開であった。

ひょっとしたら、Robinhoodのログイン画面って、こんな感じにでもなっているんじゃないだろうかと思ったぐらいだ。

しかし、その後、資金枯渇の懸念により、Robinhoodアプリで、「GMEが買えなくなった」という話もあったので、こういう「ボタン配置」ではなさそうだ。

これでBuyボタンをなくしたら、ログイン自体ができなくなる。

その後、取引銘柄が絞られたり、1株しか買えなくなったり、とかいう資金を枯渇させないような滅茶苦茶な対応が取られていたようだった。

今週は、目まぐるしい相場展開で、楽しい反面、疲れましたね。

何かの参考になれば幸いです。では。

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