サブプライム・リーマンショックでは、不動産バブルの状況下、住宅価格の値上がりを目当てにして借金をする人が多かった。そして、銀行がろくに審査もせずに住宅ローンのお金貸し付けていた事により、住宅価格が下がりだすと、返済が滞ってしまい、バブルが崩壊した。
しかし、銀行が潰れると経済への影響が大きいため、モラルハザードを助長していた金融機関を救うために(最終的には一般消費者を救う事になるけれど…)多額の税金が投入された。
そのような従来の金融システムのアンチテーゼとして生まれてきたのがBitcoinである。Bitcoinは投機対象と見られることもあるけれど、この様な過去の経緯を見ると金融システムの方が投機的ではないか?という見方もある。
ボラティリティも高いし、先の事は分からないけれど、コロナショックを乗り切るために、金融政策・財政政策の両面で経済をささえている今のお金がじゃぶじゃぶになっている足元の状況を考えると投資やトレード対象として仮想通貨・暗号資産を考慮しても良いのかもしれない。
そんな仮想通貨・暗号資産のトレードで重要なのはお金の「流れ」と「規模」の把握である。
従って、お金の流れと規模を把握してみよう。まずは規模感から。
規模感の把握
規模感は下記の通りである。
給付金の規模はBitcoin(ビットコイン)の41%、ETH(イーサリアム)の211%、DOGE(ドージ)の6,000%である。この様な規模感であるから、イーロンマスクがDOGEとつぶやくだけで、大きく価格が動いたりする。(仮想通貨のDOGE(柴犬)は、遊びで作られたような仮想通貨であり、投機対象となっているゲームストップという企業に近い立ち位置なので、あまりお勧めはしない。)
そして、米国の給付金の状況を踏まえてお勧めするのはRobinhoodで扱っている下記の銘柄である。
Robinhood銘柄
出典:Robinhood HP
これを個人的なお勧め順に並べ替えると下記のような感じだろうか。
- Bitcoin (BTC)
- Ethereum (ETH)
- Bitcoin Cash (BCH)
- Litecoin (LTC)
- Bitcoin SV (BSV)
- Ethereum Classic (ETC)
- Dogecoin (DOGE)
まぁ、BTCとETHぐらいにとどめておくのが無難だろう。
循環物色になれば、今のトレンドのDeFi銘柄やNFT銘柄などの仮想通貨にも資金が流れていくと考えられるが、まずはRobinhoodで扱っている銘柄を対象にするのが王道だろう。
お金の流れの把握
お金の流れの観点でいうと、米国で給付金が配布されている状況であり、あまり前例がない程、分かり易い局面にある様にも思われる。
給付金のオフィシャルな支払日は下記の通りである。
- 前回 1月4日
- 今回 3月17日
IRS(米国内国歳入庁(Internal Revenue Service))のサイトで日付を確認すると下記の通り。
給付金 2020年12月29日
出典:IRS
支払日は1/4になっている。
給付金 2020年3月12日
出典:IRS
支払日は3/17になっている。
この様な状況で、ウェルスファーゴやチェースのような伝統的な銀行だと、給付金はペンディング状態で3/17(水)まで引き出せないらしい。
ウェルスファーゴの場合
出典:ウェルスファーゴHP
3/17まで引き出せないと記載されている。
しかし、Chimeのようなデジタルバンクだと引き出せるらしい。
Chimeの場合
出典:Twitter
Chimeだと3/13(土)の時点で給付金を受領している人がいる。
ちなみに現在の給付金の受領状況の投票は下記の通りである。
給付金の受領状況(3/17 10:30 日本時間)
出典:Twitter
受給資格が無い人を除くと、75%の人がまだ受領していない状態の様子。(3/17 10:30 日本時間)
ウェルスファーゴやチェースなどの大手が引き出せない状況であることを踏まえると、大多数が、まだ引き出せない状況にあるというのが現状だろう。
(給付金の受け取り手段としては、郵送で小切手で受領する方法もあるようなので、3/17以降は、ゆっくりと受領率が上がっていくと考えられる。)
給付金の使い道
みずほ証券のアナリストであるダン・
約40%が、給付金の一部をビットコインまたは株式への投資に使用することを計画していると述べているらしい。
そして、そのうち、61%がビットコインに投資すると答え、株式にお金を入れると答えたのは39%だったとの事。
この様な状況なので、Bitcoinは注目に値するだろう。
それらを踏まえて、前回のBitcoinの動きを見てみよう。
前回のBitcoinの価格の推移。
給付金のオフィシャルな支払日は下記であったと先ほど述べたが、
- 前回 1月4日
- 今回 3月17日
前回のビットコインの価格の推移を見てみよう。
ビットコインの価格の推移
出典:Bitbank
前回は1/4に急落して、思惑買いで先行して資金を投入していたロングポジションを焼き尽くして、19時(NY 5時)に反転して揉み合ってから上昇している。
給付金をまだ受領していない人達が多数派を占める状態で実弾が入ってくる前の絶妙なタイミングである。
この様な動きがあるから、余裕のないレバレッジ取引をするのは危険である。急激な価格変動により、損切りすることになり、大口のトレーダにポジションを刈り取られてしまうのだ。
今回はどうなるか分からないけれど、このような価格変動には気を付けた方が良いだろう。
因みに今は、サマータイムなので、NY 5時は日本時間で18時ぐらいである。あと、3月17日は金利が動きそうなイベントとして、FOMCがあるので、イベントを無事に通過したのを見届けてから買うのが良いのかもしれない。
大口のトレーダーという点で、注意しておくべきなのは、主要な大口の売り手として、ビットコインのマイニング業者がある。電力が安い国でのマイニングが盛んだったりするのだが、ビットコインのマイニングは中国勢が多くの割合を占めるので、アジア時間は弱くなりがちだったりする。
アジア時間にマイニング業者が、採掘+手数料として受領したビットコインを売ってくる事が多いようだ。(マイニング業者も高く売りたいだろうし、そんな単純なものでもない気もするし、本当のところはわからないけれど…)
更に、給付金の状況を考えると、一層、アジアの日中が弱く、米国の日中が強くなる事も想定される。
もう一つ、価格の動きで注意した方が良い動きがある。CMEの窓閉め(窓埋め)である。
CMEの窓閉め(月曜日の窓閉め)
出典:CME(リンク)
土日のBitcoinが強かったとしても、月曜日には、土日と逆の動きになることが多かったりする。
一般的なビットコインの取引きは、24時間365日取引ができるが、CMEのビットコイン先物は土日には取引ができない。従って、土日にビットコイン価格が大きく動いて月曜日を迎えると、先物のチャートには窓が開くことが多いのだが、この開いた窓は埋まる事が多いのである。
上図の矢印のように、3月8日の窓も閉まったし、3月15日の窓も閉まっている。
じゃあ、前回の給付金の配布の時期はどうだったのか?
1月4日を見てみよう。
前回の給付金 1月4日の場合
出典:CME(リンク)
前回、給付金が配布される直前の1/4の窓も埋まっている。CMEの窓埋めを知っていれば、1/4の直前の急落は予見できたととも取れる。
そして、もう一点、ここで注目して欲しいのは、12/27の窓である。この窓は埋まっていない。
従って、全ての窓が閉まるわけではないけれど、窓が埋まるような動きをし易い事は知っておいた方が良いだろう。また、かならず月曜日に埋まるわけではなく、数週間から1か月程度かけて埋める事もあるようなので、その点も知っておいた方が良いだろう。
なぜ窓は埋まるのか?
ここで、窓埋めがなぜ起こるのかを、自分なりに解釈すると、CMEの需給に引っ張られて、差を埋める力が働き、窓が埋まる動きをするように思う。従って、CMEの需給より、実需が強ければ、窓が埋まらない事もある様に思う。
一般的に、この様なCMEの先物を誰が利用するかと言うと、事業を安定させたい企業が使うのが一般的である。従って、結局は、マイニング業者などの大口の商いによって、CMEの窓が埋まる動きになる事を意味していると考えられる。
給付金が配布されて、株式市場が閉まっている状態で、今週の土日も仮想通貨が活況になり、窓が開く気がするが、窓が閉まる事を考慮しながら、給付金による実需が強いとしたら、窓が閉まらない可能性もあるという事を想定しておいた方が良いだろう。
まぁ、素人が、うんうんと頭を捻って考えた事なので、間違っているかもしれないし、今後の相場がどうなるかなんて分からない。
しかし、最後に一点だけ言わせてほしいのは「社会の窓」は閉めた方が良い。これだけは確実だ。
記事の価値が暴落した気配を感じるが、何かの参考になれば幸いです。
では!
ちなみに、私が使っているビットコインの取引所は、BitflyerとCoincheckとBitbankです。
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