財務分析

配当性向と配当利回り、およびPERの関係について

スポンサーリンク
財務分析
この記事は約4分で読めます。

配当性向と配当利回り、およびPERの関係について

配当を出している株は、配当が貰えるというだけでなく、
株価が下落した場合に利回りが上がるので、下落耐性があったりする。
そんな、配当を出している株の「配当性向配当利回りPER」の関係を考えてみたい。

配当性向と配当利回り、およびPERの関係について

一般的なPERと配当性向の水準は、PER15倍、配当性向30%~40%と言われる。配当、配当性向、利益は、いずれも約束されたものではないが、約束されたものだと仮定して考えてみよう。

の下線部の様に
PER15倍配当性向30%を固定すると
配当利回りは2%となる。(便宜上、純利益を100と設定)

次に、の下線部の様に
配当利回り2%配当性向40%を固定すると
PERは20倍となる。

つまり、配当性向が高い会社のPERは高くなる。と考えられる。

配当利回り(2%)が同じ場合、利益を成長に投資できる割合が高い(配当性向が低い)会社(上図の左)の方が魅力的である。しかし、時価総額が下がりPERが20未満になってくると配当利回りが上がるため、右の会社が買われやすくなると考えられる。

配当、配当性向、利益は、いずれも約束されたものではないが、
配当性向が固定されているものがある。
それは、REITである。

REITは税金が優遇される代わりに、配当性向を90%以上に保つ必要がある

参考:SECのREITについての記載(リンク)

90%以上の配当を出す必要がある旨が記載されている。
では、配当性向が90%以上に制限されているREITの適正PERは、どのぐらいか考えてみたい。

「配当性向90%REIT」の適正PERについて

配当性向90%のREITについて、

の下線部の様に
配当利回り2%配当性向90%を固定すると
PERは45倍となる。

配当性向が90%以上に固定されているREITのPERが高くなるのは妥当に思える。
REITの場合、PERという指標より、「予想配当利回り」を意識して投資すれば良い様に思われる。

参考 配当性向30, 40, 90%の場合のPERと配当利回り

REITの場合は、配当性向が90%以上になることが約束されているので、配当性向は無視してよいだろう。そして配当性向が確定しているのであれば、PERも無視してよい事になる。従って、REITの配当利回りと、株や債券の利回りを見比べながら、利回りの優位性を見て、判断すればよいように思われる。

(補足)前提の確認

今回の記事の前提知識として、以下の事は把握している必要があります。

配当性向100%とは、稼いだ利益すべて、配当に吐き出している事になるので、投資による成長は見込めません。減配の可能性も高いので要注意です。

配当性向100%以上は、過去の財産を食いつぶしながら、配当を出している事になるので、減配の可能性は更に高くなるので要注意です。

減配の可能性を考えると、一般的には配当性向が50%を超えない方が安心でしょう。

高配当を狙って、株式投資をする場合は、配当性向が高すぎない事や、企業の成長性に注意して、投資するのが良いでしょう。多くの場合、PERが割安、高配当利回りに放置されている株は、「政治、訴訟、事業の成長性」など、なんらかの問題を抱えていることが多いので、単純に指標だけで判断すると危険です。

その上で、REITは例外で利益から配当を90%以上、吐き出すことを前提に設計されているという話です。ちなみにREITが規模を拡大する場合は、増資による成長になります。

しかし、REITも盤石ではなく、景気後退局面では、オフィスの家賃が下がったり、退去により賃貸収入が減少したりで、減配になる可能性があるので注意してください。

(最後に)

成長分野でありながら配当が出るというデータセンターREITに注目しているのですが、PERが高い。しかし、本当に高いのか?という疑問から、「配当性向、配当利回り、PERの関係」について整理してみました。

(おまけ)

配当性向90%の表データセンターREITのPERを照らし合わせて確認すれば、実は割安なのではないか?

と思って、基準を緩くして確認してみたけど、それでも、やっぱり高かった…
チャート見ながら買おうか思案中。と思ったら、
データセンターREITは日本の規制により、買えないという事が判明。

税制上の優遇を受けるため、アメリカのデータセンターの企業は、REITという区分で上場している。しかし、日本で、REITを売り出す場合、日本で申請手続きが必要になる。

一般的な投資信託としてのREITは申請をしているものが多いが、データセンターREITは普通の企業がアメリカの税制上の優遇を受けるために、REITという区分で上場しているだけなので、個別に日本で申請をしていない。そのため、日本人はデータセンターのREITが買えない様子。

クラウド関連でもあるデータセンターREITは成長分野なのに、投資が出来ず、非常に残念。

面白かったらシェアしてね。 やるきがでます!
フォローしてね。更新情報がわかるよ~
ブログの管理人
hippen ひっぺん

Twitter やってます ↑

知的好奇心と探求心で、いろんな企業の分析しながら「ビジネス」と「投資」で役立つブログが書きたい!そんな思いでブログを書いてます。

経済指標や株関連の情報も発信しているよ。

フォローしてね。更新情報がわかるよ~
米国株 ひぺろぐ

コメント