石油メジャーの4社について
大手石油メジャーは統合・再編を繰り返し、現在では、エクソンモービル(米)、ロイヤル・ダッチ・シェル(蘭・英)、BP(英)、シェブロン(米)の4社がスーパーメジャーと呼ばれている。(これにトタル(仏)とコノコフィリップス(米)を加えた6社をスーパーメジャーと呼んだりもする。)
今の4社になる前は、セブンシスターズ(Seven Sisters)と呼ばれていた。
「7人の姉妹」とは
7人の姉妹とはギリシア神話に登場するプレイアデス七姉妹を示す。
悪意を含んで、7人の魔女と訳されたりもする。
石油メジャーがセブンシスターズと呼ばれた理由は、1950年代、Eni(イタリアの石油会社)のエンリコ・マッテイ会長が、第二次世界大戦後に中東の石油を牛耳っていた支配的な石油メジャーの7社を糾弾する時に使った言葉に由来する。
後に、エンリコマッテイは謎の死を遂げる。更にそれを調査していたジャーナリストのマウロ・デ・マウロも消息不明になっている。
この辺りの闇は深そうである。
長い歴史を持つ企業は、戦争とも切り離せないし、ある程度、闇を抱えているのは時代的に仕方がないのかもしれない。
そんなこんなで、魅力的な紹介ができたところで、高い配当利回りから、注目される石油メジャー4社の財務状況をまとめて見て見よう。
石油メジャー4社の財務諸表
上からシェブロン(CVX)、エクソン・モービル(XOM)、ロイヤル・ダッチ・シェル(RDS)、ブリティッシュ・ペトロリアム(BP)の財務諸表
石油会社の売上(利益)の推移を見比べて驚くのが、全ての会社が仲良く同じ動きをしていることである。
特徴的な動きとして、2014年から2015年にかけて売り上げが減少している点がある。
これがどういうことなのか、次に原油価格の動きと見比べて見よう。
原油価格の推移と石油メジャー4社の株価
出典:TradingView
上からシェブロン(CVX)、エクソン・モービル(XOM)、ロイヤル・ダッチ・シェル(RDS)、ブリティッシュ・ペトロリアム(BP)、原油の株価・価格の推移を示す。
一番下の原油価格に注目すると、2014年から2015年にかけて、チャイナショックより、原油価格が大きく値を下げていることがわかる。原油価格の推移に連動して石油メジャーの売上が変動しているのだ。当然、石油メジャー4社の株価の動きも原油価格に似た動きをしている。
つまり、石油会社の株を買うという事は、今後の原油価格を予想している事になる。
現在は、新型コロナウィルス(Corvid-19)の影響や、サウジアラビアとロシアと米国(シェールガス)が利権を巡って争うなど、悪材料が重なっていて、原油価格は歴史的にも低位で推移している事から石油会社の株は安く、配当利回りは高くなっている状態であり、長期では仕込み時なのかもしれない。
しかし、石油会社の株を買うという事は、政治に影響される原油価格の先行きに投資をしているという事を理解して、投資をした方が良いように思われる。
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