★殿堂入り 株式投資・雑記

株と債券のリバランス

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株と債券のリバランスを考えてみる。

株と債券は逆相関の値動きをする。この性質を活かし、「グローバル3倍3分法ファンド」や「レイ・ダリオのオールウェザー」のポートフォリオには債券が組み込まれている。しかし、株と債券の逆相関は、万能ではなく、市場から資金が流出し、逆相関になっていないタイミングもある。

その理由はなぜか?どう考えて、次を予測するべきか?
この点を考えてみたい。

株と債券は基本的に逆相関の値動きをするが、
これは高い利回り・リターン(利回りの優位性とキャピタルゲインの可能性)を求めてお金がどこに流れていくのかを表している。

つまり、お金の流れを把握する必要がある。
そのために、債券の知識として押さえておきたいのは、
「ボリューム感」と「リスク評価」の2点。

まずはボリューム感から見ていこう。

リスクマネーのボリューム感

株・債券・現金の割合


参考:howmuch.net

世界の株・債券・現金のボリューム感は上図の通り。
ボリューム感を考慮するとリスクマネーを考えるなら、「株と債券」を見れば良い。
リスクを取らないマネーまで考慮するのであれば、「株と債券と現金」を見ると良いだろう。(債券は株よりボリュームが大きい点は頭の片隅にあった方が良いだろう。)

あと、金の占める割合は2%であり、仮想通貨は0.12%と小さいので、王道ではない。
(おまけで考察。)

リスクを過大評価しない

ギリシャやアルゼンチンやベネズエラのように、国の財政や世界情勢に不安を覚えた時には、金や仮想通貨も選択肢に入ってくるかもしれないが、王道でない。
(2020年3月8日にレバノンがデフォルトしたらしい…)

定期的に国の財政不安が話題になるが、
1994-2013年までの債券のデフォルト率は下記の通り。

  • AAA格付け 0.00%
  • AA格付け  0.00%
  • A格付け   0.45%

債券のバブルが崩壊したサブプライム金融危機(リーマンショック)の期間や、ITバブルの期間を含めても「格付けが高い債券」は、殆どデフォルトしていない。格付けの高い国や企業がデフォルトするというのは杞憂である。リスクを過大評価せず、債券の信頼性を評価すべきだろう。

従って、リスクマネーのリバランスを考えるなら、「株と債券」を見れば十分だろう。

以上を理解した上で、不安に駆られた多数派の人達が、どういう行き過ぎた行動を取るのかを見て、ポジションを取るのが良いのかもしれない。

では、株と債券と値動きを見てみよう。

株と債券の値動き


出典:TradingView

株と債券は基本的に逆相関(上下で対称になっている)の値動きをしている。

しかし、点線部分のように逆相関になっていないタイミングも見られる。

では次に、ココを詳しく見てみよう。

株と債券の値動き(詳細版)


出典:TradingView

期間を分けて丁寧に見ていくと
「A,C,F」では逆相関が見られるが、「B,D,E」では逆相関になっていない
しかし、少し広い視点で「ABCD」を一つの期間として見ると、逆相関になっているので問題ないだろう。

問題はEの期間である。

この期間は、株と債券の両方が下落しており、「市場から資金が抜けている期間」になっているのだ。つまり、ここは債券を売って現金化するのがベストな行動になる。

では、この期間をどう察知するればよいのか?
判断情報を追加して、値動きを見てみよう。

債券を現金化するタイミング

「市場から資金が抜けている期間」


出典:TradingView

上図のように、株と債券の両方が下落している「市場から資金が抜けている期間」の金利を見ると、FRBの利下げが打ち止めになった段階で、債券の価格が下落している事が分かる。

これがどういう状況か考えると、

金利が0%近くになると、FRBは利下げが出来ない。つまり、これ以上、金利が下がらないので債券価格も上がらない。キャピタルゲインが得られないし、金利の利息もつかない状況で、株や現金に対する債券の優位性がない状況である

そして、資金の移動先として株に目をやると、業績回復傾向が確認できない状態では、株も選好されにくい。

従って、0金利で業績回復傾向が見えない状況下では、現金が選好され、資金が市場から抜けていると推察される。

もう少し丁寧にタイミングを説明すると、金利が0%近くになり、利下げが打ち止めになり、10年債の金利が横這いを始めたら、債券のポジションを現金化するのが良いかもしれない。

(補足)債券価格の横這い期間


出典:TradingView

債券価格の「横這い」期間は上図の緑の部分を表す。

(補足)
債券の価格と利回り(金利)は逆相関の関係にある。
ざっくりした説明だが、
金利が3%だと債券が$97で金利が$3。
金利が1%だと債券が$99で金利が$1。
みたいな感じ。
つまり金利が下がると債券価格が上がる。

株ポジションを増やすタイミング


出典:TradingView

では、株のポジションを増やすタイミングはいつが良いかというと、上図を見ると、「緑の破線と実線」で示したように、原油価格が上昇し、雇用回復が見えてきたら、株のポジションを増やすのが良いと思われる。

ここで、原油価格の回復は、結局のところ業績回復・経済活動の活性化、つまり雇用回復の兆候を先行としてみているだけなので、雇用だけ見ていても良いと思われる。また、原油価格の変動が中東情勢の悪化等に起因する変動でないか、注意する必要がある。

まとめ

ここまでの話を整理すると、

債券を現金化するタイミングは以下の通り。

  • 金利が0%近く
  • 利下げが打ち止め
  • 10年債の金利が横這いを始めた

株のポジションを増やすタイミングは以下の通り。

  • 原油価格が上昇※雇用回復の兆候として
  • 雇用に回復傾向が見られる

1点補足としては、3つの条件が揃ったときに、債券の現金化を検討してはどうか?という話をしたが、条件が揃わない可能性もある。つまり、債券を現金化するタイミングを経由せず、株ポジションを増やすタイミングが来る可能性もある点を補足したい。

まぁ、その場合は、恐らく債券と株の逆相関が機能していると思うので、現金化せずに悠々と見送っても良いのではないかと思う。

注意:これは過去の動きであり、未来を保証するものではありません。投資は自己責任でお願いします。

(おまけ)

高い変動に耐えられる人は、優良な株・ETFを保有して何もしないというのも良いと思う。

高い変動に耐えられない人は、債券を3~4割ぐらい保有して何もしないというがいいかもしれない。(債券が安い時に仕込んでね。)

ひと手間かけて、変動を抑えつつ、リバランスしてリターンを高めたいというのであれば、4割前後を目安にして債券を保有し、雇用と金利をみながら、株と債券のリバランスしてみても良いのではないかと思う。

(おまけ)邪道をいこう1

株と債券が下落している期間の株価


出典:TradingView

株と債券が下落している期間(2008年12月~3月)の期間の株価を見てみよう。

(ダウ平均の30社、メジャーな株を合計70社ぐらい追加)

  • Netflix 21.64%
  • Amazon 19.03%
  • GS 7.7%
  • TJX 6.54%
  • IBM 6.01%
  • MasterCard 1.22%

の株が上昇している。

これは、回復が早い株と、下落し過ぎた株の上昇を表している。

邪道としては回復が早いIT系の株に乗り換えてもいいのかもしれない。

(おまけ)邪道をいこう2

業種別ETFとコモディティの値動き


出典:TradingView

次に、同期間でバンガードの業種別ETFやコモディティを見て見ると、

業種別の株のETFは軒並みダメでコモディティは下記の通り、

  • 銅 18.71%
  • シルバー 18.12%
  • 原油 10.45%
  • パラジウム 9.17%
  • 金 8.54%

となっている。

今回、初めにマーケットボリュームの観点で金は王道ではないと述べたけれど。

それでも邪道を進むのならコモディティも悪くないかもしれない。
少し長いスパンで値動きを見ると、

コモディティの価格上昇には「退避の動き」「景気の反映」2種類の動きが見られるように見える。そのあたりを、次で見てみよう。

コモディティの値動き

出典:TradingView

銅、原油あたりは「景気需要を反映」して上下する動きをしていて、

金、銀は「退避先」として、少し早い段階から安定して上昇しているので、

債券からリバランスするとしたら金と銀あたりが良さそうにも見える。

コモディティの動き 2020年7月9日(追記)


出典:TradingView

上記「株と債券の動き」で、「金利が下がり、0金利で業績回復傾向が見えない状況下では、現金が選好され、資金が市場から抜けている」と述べたが、

もう一歩踏み込んで「金」の動きを中心に言及すると、

金利が下がり債券の優位性がなくなり、業績回復が見えない状況での株の優位性もなくなり、現金が選考される状況下において、相対的に「金」の優位性も上昇している。

チャートをみてもわかるように、金利低下とともに、「金」の価格が上昇している。

①FEDの金利低下とともに、「金」価格が上昇。
②2年債の金利低下とともに、継続して「金」価格が上昇。
③2年債の金利が下限に張り付き、「金」価格がピークアウト。

これを踏まえて、今の状況をみて見ると、

メインシナリオとしては、
直近の米国2年債の金利は0.16%まで下落しており、過去の金利と比較しても下限にある。ここから先はマイナス金利にでもならないと、「金」の上昇余地は少ないように見える。(FEDはマイナス金利の導入には懐疑的であるし、そのような状況になるとは考えにくい。)

従って、一旦「金」はピークに近いように見える。

一方のシナリオとしては、
急ピッチで金利が低下してきたし、業績回復が見えない中では、FRBは金利も上げられないので、暫くは金利が低水準で張り付くのが見えている。従って、資金の退避先として、金にまだ上昇余地はあるかもしれない。
失業率の悪化(ミクロでは改善傾向)から、デモや暴動が起きたりと、各地で情勢が不安定になっているところもあり、「金」が選考される可能性もある。
株や債券と比較すると「金」の取引量は少ないので、少しの資金が「金」に振り向けられるだけで、上昇する可能性がある。

と言ったところだろうか。

以上より、「金」を保有している人は、債券・金利の動きに注目すると良いと思われる。前回の金融危機の時は、上図の様に銀やプラチナが先行してピークアウトしているので、他のコモディティの値動きにも目を見張ると良いのかもしれない。

私、個人としては、親から授かった「金」を股下に二つ所有しているので、追加で「金」の保有は今のところ考えていない。(一気に記事の価値が暴落した気配を感じる。)

(おまけ)

今、債券を保有している場合は、金利が0付近になるまで、静観でいいんじゃないですかねー。仮に、雇用が悪化した場合も、雇用が回復傾向が見られるまで静観でいいんじゃないですかねー。責任はとれないけど。

以上、株と債券と逆相関とリバランスについて整理してみました。

間違っているとか、考察が甘いというご指摘・ご意見があったら、よろしくお願いします。

自画自賛だけど、そこそこ有益な記事が書けたんじゃないかなー?
何かの参考になれば幸いです。

(だそく)Netflix株について

しかし、この時期のNetflixの株価が強い。

個人的に株価が下がるとする事がなくなってアニメを見だすから、逆相関なのかもしれない。(多分違う。たまたま。)

(だそく)ポートフォリオ

株価が下がると「ポエムが増える」から、ポートフォリオにポエムを入れておくと下落ヘッジになるかもしれない。(ならない。)

(おまけ)Corvid-19相場 2020年7月9日(追記)


出典:TradingView

この記事は2020年3月8日に投稿した(構想はもう少し前)のだが、
この記事に書いた「資金が市場から抜ける現象」が 3/9~3/18 に発生している。
レイダリオもびっくりな、神がかり的なタイミングである。

そろそろ同じ現象が発生すると仮説を立てて、
1週間ぐらい前から、先を予想して、準備して書いた記事が、ドンピシャでハマっている。
我ながら褒めてやりたい。

このチャートの動きを見ていると、3/23から、債券も株も上昇しており、市場に資金が戻ってきていることが分かる。横目で見ていて、気付いてはいたが、実際は、狼狽していた。ここでポジションを増やせなかった事が悔やまれる…

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