ささっと 決算

【2020年1月 ささっと決算】ユニリーバ、ネスレ、UPS、アルトリア

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【2020年1月 ささっと決算】ユニリーバ、UPS、アルトリア

今回の対象企業:ユニリーバ、ネスレ、UPS、アルトリア

Earning Callを片っ端から力技で確認。

◆ユニリーバ

商品について

  • ドレッシングが強い。何回もアピールしていた。
  • ビーガンの流行を注視。(ビーガンマヨネーズ、ビーガンアイスクリーム)
  • スキンケア好調。(スキンケアのブランド(Dermalogica)は買収後4年間は成長していなかったが、一桁後半で成長。)
  • 消費者の傾向は紅茶から緑茶へ変化。M&Aなどでテコ入れしているが紅茶事業の3分の2がコア紅茶であり、減少。これは10年以上にわたる長期的な傾向。リプトンも売却も視野

事業方針

  • 利益率の改善に注力。SCMが貢献。2017年に約35億ユーロのリストラ資金を使用。そのお金のほとんどは、ヨーロッパのサプライチェーン、ラテンアメリカのサプライチェーンに投入
  • eコマースは30%の成長。(電子商取引は約6%
  • M&Aを今後も進める。買収&売却の両面で進めていくが、売却に比重か?(紅茶リプトン)

地域別

  • ブラジル強い。ブラジルのOmo(洗濯用洗剤)強い。
  • ブラジル、アルゼンチンが危機から回復し始めることを期待している。
  • ナイジェリアのガーナ弱い
  • 北アフリカ、中東、およびトルコ弱い
  • 中国に新型コロナウィルスの懸念あり。

◆Nestlé ネスレ

概況

  • 成長率は2018年は3%、2019年は3.5%。
  • 60年配当を下げていない。(60年間、配当金は安定か、増加。)
  • プラスチック廃棄物削減を推進。
  • 代替肉、植物ベースのハンバーガーが好調。(ヨーロッパでは、大豆ベースのインクレディブルバーガー。アメリカでは、エンドウ豆を使用。)
  • 植物ベース食品は、Incredible BurgerおよびIncredible Minceが成功し、2桁成長
  • ペットフード等の商品を扱う。
  • スターバックス製品群のロールアウトが好調。
  • ウォータービジネスが不振。(ウォータサーバー)
  • 広告はデジタルが増加しつづけ41%を占める。

地域別の概況

  • 米国が成長。ヨーロッパは値下げで軟調。
  • ラテンアメリカ好調。メキシコ、ブラジルが好調。
  • 中国が鈍く、パキスタンが厳しい。
  • 東南アジアは、インドネシアベトナムが順調。すぐに飲めるミロ、ネスカフェは2桁成長。
  • 南アジアでは、インドが好調。
  • サハラ以南のアフリカは、乳児栄養、マギー、ネスカフェが好調。
  • 日本とオセアニアは、Purina PetCare製品(キャットフードのモンプチ等)と新たに発売されたStarbucks製品に対する強い需要で、一桁台前半の成長を維持。
  • Blue Bottleがアジアで好調。

コロナウィルスの影響

  • 中国は2番目に大きく収益の約8%を占める。
  • 今週初め(2019/2/10)、中国にある30以上の工場の大部分を再開。工場の大部分は通常よりも、まだ低い稼働率

◆UPS

ビジネス概況

  • NYに対して非課税タバコ出荷の罰金がある。
  • 中小企業のB2BとB2Cに焦点を当てたビジネスを展開。(大手企業もサプライチェーンを増強しているが、競合しない。)
  • 高速配送が伸びている
  • 新しい航空機を20台追加。
  • 2019年にはNext Day Airのボリュームが22%以上急増
  • 米国人口の98%カバーするため、Next Day Groundのピックアップを拡大。

週末配送、土曜日配送も拡大。2020年は日曜日配送を拡大する予定。
これは設備投資ではなく運用コスト。資産とレーンの使用率が向上し競争力と価格設定力が向上する。

  • 競争力のある翌日配達でAmazonとのビジネスを拡大
  • Amazon向けは11.6%増加。全体として、年間販売量は6%増加。

新技術対応

  • 電気自動車の大手メーカーであるArrivalへの株式投資。1万台の高度なEV配送車を購入する。
  • UPS ORIONというシステムで配送ルートの最適化を行っている。
  • UPS Flight Forwardのドローン配送サービスは、カリフォルニア大学で、まもなく開始。
  • 2019年10月1日米連邦航空局から大規模なドローン配送を行うための認可を得ている。

◆アルトリア

法規制と市場拡大のジレンマ

  • 子供のタバコ製品を使用抑止に取り組む。
  • 2019年、未成年のタバコの使用量は1997年のピークから85%以上減少。大きな進歩だが、若者の電子蒸気タバコの使用が驚くほど増加している。これが、2019年の初めに、たばこ購入の最低年齢を21歳に引き上げる全国キャンペーンを開始し、州および連邦議員とこの法律をサポートするために粘り強く取り組んだ理由。
  • 12月、連邦議会はすべてのタバコ製品を購入する法定年齢を21歳に移行
  • 電子蒸気カテゴリは最初の9か月間で急速に成長し、約35%の量が増加。このカテゴリの成長は、Juulによって推進。第3四半期の後半に、蒸気関連の病気と死亡のニュース、および若者の電子蒸気使用量の大幅な増加を示す政府調査データの公開により、立法および規制措置が推進。いくつかの州は、風味付けされたまたはすべての電子蒸気製品の禁止に移行
  • 2019年のJuul投資のパフォーマンスに失望。また、Juul投資の2回目の減損を報告。
  • 第4四半期に、電子蒸気カテゴリは連続してほぼ8%減少し、成長は前年比で3%に減速
  • 市場におけるJuulのシェアは、48%から44%に減少したと推定。
  • 電子蒸気カテゴリのJuul以外のiQOSなどの代替製品に引き続き注力

新しい取り組み

  • Marlboro Rewardsエクイティプログラムは、予想を超えて継続し、260万人を超える成人喫煙者が登録され、開始以来2億のパックコードが入力された。
  • モバイルクーポンはリピート購入を促進しており、引き続きナンバーワンの商品です。
  • 戦略的な大麻への投資、クロノス。Cronosは、カナダの気化器を含む派生製品の合法化に備える。クロノスはまた、人材の獲得、雇用、重要なビジネスの役割の達成でも大きな進歩を遂げた。米国の大麻市場は、連邦レベルで合理的に規制および合法化された場合、大きなチャンスをもたらすと考える。

(まとめ)

  • ユニリーバ等、傘下に多くのブランドを抱える企業は、ブランドを買収・売却で入れ替えながら軸足を移して成長・生存している。
  • SCMを充実させておくことで、M&Aで買収したブランドをより効率的にスケールすることができる強みがある。
  • ビーガン強い。ユニリーバはドレッシングをめちゃくちゃアピールしてくる。
  • 世界に進出している企業は国の景気や政治リスクに直面する。
  • 紅茶よりお茶が選好されている様子。
  • 米国で遅れながら、やっとスキンケアのブームの兆しが見えてきた?
  • ネスレを見ると、地域ごとの発展段階の違いによって流行の違いがあるように感じる。ネスレは手広い事業のポートフォリオを持っていて、大きな成功もないが、大きな失敗も少なく、底堅い印象。
    • ミロキットカットはネスレ。
    • キャットフードのモンプチはネスレ。
    • Blue Bottleコーヒーはネスレが買収。
    • スターバックスと提携してスタバックスの商品を取り扱い。
    • ウォーターサーバーや代替肉を取り扱い。
  • プラスチックのリサイクルにはどこの会社も積極的。とくにヨーロッパは進んでいる印象。
  • 何社か確認した感触では、中国の工場・物流は2/10ぐらいから動き出しているが、稼働率がまだ低い状態の様子。
  • 高速配送の需要が高い。(待てない人が想像以上に多い事が分かる。)
  • UPSは日曜日の配送も強化しようとしている。飲み屋がお昼にランチを提供するように、設備の稼働率を上げた方が利益率が上がるという発想。労働者としては、大変。
  • UPSは飛行機を20台購入している。本気度が違う。
  • UPSはAmazonとも協力関係にある事を知る。
  • タバコもモバイルクーポンを発行していて、結構、普及している事を知る。
  • 人の生死、健康に関係するものは法規制によるリスクが高い。
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