【さらっと 銘柄紹介】O’Reilly AUTO PARTS:ORLY オライリーオートパーツ
自動車部品小売業者。
オライリーオートパーツの紹介です。
気になる株をピックアップ、さらっと銘柄を紹介します。
◆ O’Reilly AUTO PARTS:ORLY オライリーオートパーツ
自動車部品小売業者。部品、工具、消耗品、機器、および付属品をプロとDIY顧客にサービスを提供。1957年に設立。2019年9月30日現在、47州で5,420店舗を運営。従業員は82,000人。
売上の比率
- 57%:DIY一般顧客向け
- 43%:プロ向け
店舗数の遷移
- 2017年 5019(+200)
- 2018年 5219
- 2,119店舗が所有
- 3,026店舗がリース
特に店舗の多い場所
- テキサス州 706店舗(13.5%)
- カリフォルニア州 553店舗(10.6%)
仕入れ先
自動車製品は815社以上のサプライヤーから購入。
そのうち5社が購入総額の約24%を占める。
- 最大のサプライヤーは、約8%を占める。
- 他の4つのはそれぞれ、約3~5%を占める
大体のイメージが掴めたところで財務諸表を見ていきたい。
◆10年分の財務諸表
- PL
- 売上:右肩上がりに順調に成長。
- 利益:売上の増加に応じて増加。
- 研究開発費:なし。
- ROIC:38.31%
- BS
- 負債比率が増加。積極的な自社株買い。
- 効率性
- 仕入を棚卸資産回転日数に近づけCCC改善。
- CCC:-6.93日
- 配当、配当性向
- なし
- 自社株買い
- 40.6%の積極的な自社株買い。
配当を出さない代わりに自社株買いで株主へ還元。
◆ポイント
売上の成長、ROICが示す高い収益性、CCCがマイナスになっている資金繰りの良さ。負債比率の高さを除けば魅力的に見える。
高い負債比率で思い出すのが、ホームデポ。ホームデポの財務諸表と比較してみよう。
◆ホームデポの財務諸表
売上の伸び、自社株買い、BSの負債の増加等を見ると、ホームデポの財務諸表に酷似している。しかし、丁寧に見ると、ホームデポには下記の違いがある。(上図のオレンジで囲った部分)
- 配当を出している
- 棚卸資産回転日数を改善している
- 回転日数が全体的に短い(商材の違いによると想定)
- 売上の成長率(図右下)がわずかに上昇傾向
それぞれについて、コメントをしてみようと思う。(個人的な見解を含む。)
配当を出している
ホームデポは配当をだしており、株価が下落した時に、下落を抑制する要因になる可能性がある。
棚卸資産回転日数の改善
ホームデポは業務の改善で棚卸資産回転を向上し効率化を計っているが、オライリーは仕入債権回転日数を棚卸資産回転に近づける財テクで効率化しているように見える。オライリーのCCCがマイナスになっている点は高評価であり、賢明な判断だと思う。しかし、これは本質的な組織の強さではないように思われる。
回転日数が全体的に短い(商材の違いと想定)
ホームデポと比較すると、オライリーは棚卸回転日数(オライリー:251日、ホームデポ:68日)が長い。高級ブランド品なみの長さ。これは扱う商材の売れにくさを表しているように思われる。(底堅い需要があるのかもしれないが、個人的には景気悪化時に不安を覚える。)
売上の成長がわずかに上昇傾向
ホームデポは売上の成長にわずかに上昇傾向がみられ、オライリーより順調そうに見える。
以上のように、個人的にはホームデポと比較すると、魅力に劣るように思われる。
(まとめ)
オライリーは積極的な出店により、順調に売上を伸ばしている。近年は、成長率に多少の鈍化が見られる。(まだまだ伸びている状態ではあるが)これを払拭するためか、メキシコの自動車部品小売業者を買収し、メキシコにも勢力を拡大していく様子。
財務諸表を見ると、良い数字が並んでいて魅力的な銘柄に見えるが、似たような財務諸表のホームデポと比較すると多少見劣りがするように思われる。
今後、更に成長するかは、メキシコ展開がカギになると思われる。
(おまけ)
2019年8月20日にオライリーは、メキシコの自動車部品小売業者のマサヤを買収している。メキシコ全土に20店舗を構え、2000社への販売網を持つらしい。これが、オライリーにとって、最初の海外展開となる様子。
(おまけ)
オライリーって、どんなお店だろうと思って、googlemapで調べて見た。
間違って、出版社のオライリーがヒットした。
技術系・IT系の本を出版している違うオライリーがヒット。
オライリーと聞いて出版社かな?と思ったIT系の人も多いはず。
というか、防衛省の向かい側って、なぜココに??
えらい攻めてるなぁ。
気を取り直して、検索してみる。
5千店舗も構えるだけあって、意外とこじんまりしている。
バーガーキングの跡地にオライリーが立つと言っていたのに、まだ立たない。という話題を見かけたが、店舗の大きさは、それぐらいの大きさなのだろう。(出店を見合わせている理由が気になるところだが。)
どのようなところに出店しているのかと思って、あたりを見渡すと、向かい側の道路に気になるお店が・・・。
オートパーツのお店が廃業している!
(看板にAUTO PARTSの文字が・・・)
オライリーに客を取られたのか、同業者のお店が廃業しているショッキングなところに出くわしてしまった。
最北端のアラスカ州のお店や、最南端のフロリダ州のお店を見たけれど、あまりネタになりそうなものが見つからなかった・・・(途中迷子になって、誰かの家の庭に入り込んで犬を発見したぐらいしか、ネタになりそうなものがなかった。)
庭に迷い込んだら犬がいて、こっちを見ている。
手前には、7人の小人が並んでいる。
何の話だっけ?
オライリーは全体的に町の中心部から少し離れた家賃・土地の安そうな場所に、大きめのコンビニぐらいの店舗を構える傾向がある様子。
オライリーの店舗の分布
ニューヨーク・ニュージャージー州には店舗が少ないところを見ると、この辺りは競合がいる様子。
テキサス州に店舗が多いので、ここから南下して、メキシコに進出するのは妥当性があるように感じる。オライリーの販売網・物流網の強みを生かして、メキシコ展開を成功させてほしい。
(おまけ)
オライリーは車について専門的な知識を持つ従業員が強みだと言っている。
youtubeでも、従業員がサスペンション、バッテリー、ライトの交換について、助言するような動画を流している。個人のDIY需要を発掘しているのだろう。
出典:Youtube O’Reilly オフィシャルアカウントより
何か参考になれば幸いです。
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