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【さらっと 銘柄紹介】 Costco:COST コストコ・ホールセール

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【さらっと 銘柄紹介】 Costco:COST コストコ・ホールセール

有料会員制の倉庫型大型量販店。徹底的・継続的なコストダウンにより、顧客のロイヤリティ向上を追求するコストコ・ホールセールの紹介です。

気になる株をピックアップ、さらっと銘柄を紹介します。

Costco:COST コストコ・ホールセール

有料会員制の大型量販店郊外に倉庫型の大型店舗を構える。商品の陳列は重機で運んだままのパレットに載せた状態のスタイルで売るなど、徹底したコストダウンを図る。

コストコの陳列スタイル

出典:Costco IRのホームぺージより

コストコはオリジナルプライベートブランド(PB)のカークランドシグネチャーの商品を扱う。PBにより低価格で高品質の商品を提供している。カークランドシグネチャーが売上に占める割合は約30%

ざっくりと企業概要を把握したところで財務諸表を見てみよう。

10年分の財務諸表

  • PL
    • 売上:右肩上がりに順調に成長
    • 利益:売上の増加に応じて増加
    • 研究開発費:なし。
    • ROIC:17.09%
  • BS
    • 全体的にBSの割合は安定している
    • 負債の割合もあまり変動していない
    • 大きなM&Aをしないため、BSが安定し無形資産が無い。
  • 効率性
    • 売上・仕入・棚卸回転日数、全て短めで安定
    • CCC:3.17日
  • 配当、配当性向
    • 配当性向:28.9% 安定している。
  • 自社株買い
    • 株数は、ほぼ変動していない

ポイント

順調に売上を伸ばしていて、財務も安定。右下のグラフを見ても成長していることが見て取れる。そんなコストコの差別化のポイントは、なんと言っても9850万人を誇る有料会員

コストコで物を買うには有料会員($60 or $120)になる必要がある。この年会費は無利息の仕入れの原資となり、資金繰りを改善し財務的に優位な状態を作るだけでなく、顧客の高いロイヤリティに繋がる好循環を生む。

高い年会員費は、それだけで来店する動機になるのだが、ロイヤリティ(忠誠心、何度もお店に来て買い物してくれる事)を高めるために、様々な手を打っている。

コスト・COST・コストコ

・ティッカーシンボルはCOST徹底的にコストにこだわる意思表示が伺える。

10万点のアイテムを扱うWalmartに対し、コストコは4千点しか扱わない。商品を絞る事で、大量仕入れによるコストダウンを実現している。

14%以上のマークアップを設定しない(利幅。原価と売価の差。)と会社ルールを定めている。つまり、14%以上のコストをかけれない。実際に上の図を確認すると売上高総利益が12.98%であり14%以下である。そして、販管費は9.82%となっていて、利益率は2.4%である。利幅を取らずに顧客に還元する事で、薄利だが売上を伸ばして資本回転率をあげ、ROEを最大化している。(ちなみにWalmartの売上総利益は25.1%、販管費は20.83%、利益率は1.3%である。方向性が違うため単純比較はできないが、コストコがいかにコストを抑えて顧客へ還元しているかが伺える。)

・卸売価格が高い商品は値下げを要求。要求に応じない場合は店頭におかない。それが、コカコーラでも容赦はしない。2009年、コストを理由にコカコーラをおかないと宣言。1ヶ月後に和解した模様。

・顧客のためなら長年付き合いがあるAmexでも容赦はしない。コストコでは2000年からAmerican Expressのカードのみ決済が可能だったが、コストを理由に15年間続いた提携を打ち切り、VISAに乗り換えた。(Citi groupとVISAが協力し、Amexのコストコ枠を買い取り、Citi GroupがVisaカードを配って対処した様子。)

・プライベートブランド(PB)のカークランドシグネチャーの商品を低価格・高品質で提供。同レベルの商品に対して一般的に20%安いらしい。カークランドシグネチャーが売上に占める割合は約30%程度。(カークランドシグネチャーでは、キッチンタオル、トイレットペーパー、洗剤、水、サプリメント、ドライフルーツ、ドックフード等、幅広く取り揃えている。)

来店して貰うために

コストコは敷地内にガソリンスタンドを設けている。郊外に敷地を構えるため、来店は車になる。給油ついでに来店して貰うため、値引きした会員価格でガソリンを提供している。大量まとめ買いをするコストコの購買傾向と給油のペースを考えると、親和性が高いように思える。


出典:Google Mapsより

GoogleMapで調べると、ガソリンスタンドに長蛇の列ができていて、大盛況である。

(注:いくつか調べて、良さそうな画像を選んでます。)

他にもフードコートを備えて安く食べ物を提供していたりする。

コストダウンは重要。でも従業員はもっと重要。

そんな徹底的にコストに拘るコストコだが、従業員を大切にする
以下に、コストコのホームページより引用した文を紹介したい。

We understand that the key to Costco’s continuing success and growth is the attraction and retention of great employees.
出典:コストコのホームページより。

私たちはコストコの「継続的な成功と成長を支える鍵」は「素晴らしい従業員の魅力と定着」だと理解しています。

綺麗事は誰でも言えるけど、コストコが良いところは、従業員の時給に数字として表れているところ。

小売の時給の比較

    • Costco $14
    • Target $12
    • Walmart $11

経営者の無策を、気合や根性で乗り切ろうとしているような、誰かの犠牲の上に成り立っているビジネスに投資はしたく無いよね。

コストコの死角

そんなコストコにも死角はある。顧客を優先してコストダウンをしすぎる点が死角になってたりもする。

サプライヤー視点で見ると、コストコからの厳しい卸売価格の値下げ要求や、少ない利幅で売ろうとする低い販売価格によって、価格競争力の無い他の販売ルートでは売るのが困難になるため、コストコに卸したくないと考えるサプライヤーもいるようである。

これに対処するため、コストコで売る製品の型番を変えたり、機能を変えたり、容量を変えたりと単純に他と比較できないようにして対策している様子。

コストコの規模拡大

コストコはアメリカに546店舗ある。近年のアメリカ内のコストコの事業は、規模の拡大というよりサービスの拡充をしている印象があり、市場の飽和を示しているのかも知れない。アメリカでは、会員向けに、車のディーラーの仲介(全米で2番目の売上らしい)や保険の仲介をしていたりしている。さらには、安く仕入れるため養鶏もしている。コストコに来客する人に対して、いろいろなサービスを提供する事で、高いロイヤリティを誇る会員の生活に深く浸透しようとしているように見えるが、一方で、個人的な意見だが、アメリカ国内の事業は苦しみながら、少し迷走しているようにも見える。(追記:アメリカの売上も出店計画も順調なので取り越し苦労かもしれない。)

そのような状況下、海外にも市場を拡大している

世界中に785店舗出店(2019年10月現在)
(ガソリンスタンドは593箇所)

  • アメリカ,プエルトリコ:546
  • カナダ:100
  • メキシコ:39
  • 英国:29
  • 日本:26
  • 韓国:16
  • 台湾:13
  • オーストラリア:11
  • スペイン:2
  • アイスランド:1
  • フランス:1
  • 中国上海:1(2019年8月27日オープン)

日本にも26店舗あり、最近は中国にも進出している

中国への出店

2019年8月27日中国の上海に出店した。大盛況で、混雑する店内の様子がニュースで流れていた。直近のEarningsCallでも中国の売上が好調であるとの話だった。しかし、実は、この中国進出の布石は4年前から打たれている

2014年10月14日にコストコはAlibabaのTmall Globalと提携し、中国のオンラインショップにカークランドシグネチャーの商品で進出している。Alibabaの知名度とロジスティクスを活用して、コストコの認知度を上げるとともに、市場を調査し、準備が整ったところで、計画的に出店しているのである。(DIYの文化が無い中国に出店して玉砕し、撤退したHome Depotとは違うように見える。他の中国に進出する企業もTmall Globalを利用していて、Alibabaの抜け目なさがキラリと光る。)

関税のリスク

アメリカと中国との間で関税をめぐる貿易戦争が続いているが、この影響を大きく受ける可能性がある。コストコは輸入先を変えるなど、関税の影響を抑えるために、ほとんどのサプライヤーを訪問して、対策について協議しているらしい。

まとめ

まとめると、ティッカーシンボルCOST!だと、まとめすぎなので、

顧客は重要(じゅうよう)、マージンは14(じゅうよん)、社員もじゅうYO♪

顧客を重視(ジュウシ)した14%(ジュウシ)のマークアップから勝ち取った信頼♪

だと、ヒップホップ気味の駄洒落なので、もう少し丁寧にまとめると、

コストコの強さは、コカコーラやAmerican Expessを敵に回しても戦う徹底したコスト意識と顧客への還元の姿勢である。そして、その行動と実績から勝ち取った信頼の高さが示す有料会員の多さである。また、石橋を叩いてわたる慎重で計画的な経営が継続的な売上の拡大を可能にしていると思われる。

以上、顧客も従業員も大事にするコストコの紹介でした。

(おまけ)

コストコの「14%以上のマークアップを取らない」と言う方針、「コカコーラ、Amexと戦った」と言う話題性は、サプライヤーに対して、交渉をしやすくしているように思う。

社内の規程で14%以下に抑えないと商品を扱えないので、値下げに協力してくださいと外部に言えるし、あの大手でさえ契約を切られたのだから、なんとか協力するしか無いとサプライヤーに思わせる効果がある。そこまでの効果を見込んでコカコーラやAmexと戦ったのだとしたら、とんでもない策士である。

(おまけ)

アメリカの会員


出典:Costocoホームページより

会員費は約6千円と約1万2千円の2種類。
ビジネスメンバーだと情報提供すれば再販もできる様子。
Executiveの会員だと保険や車の仲介のサービスを受けれたりする様子。

日本の会員


出典:Costocoホームページより
会員費は3,850円、4,400円と米国より少し安い。

(おまけ)

コストコのサポートの電話対応は神対応だったとの話をどこかで読んだが、そりゃ、前払い(会員費)してくれてる大切(太っ腹)なお客さんだからなぁーと思った。また、有料会員制にしていることで、お客の質も良くなるから変なクレームがかかってくる可能性も下がるように思われる。昔、先輩に連れて行って貰っとき、入退場の時に警備員が会員カードとレシートを確認していた記憶があるのだが、小売りの悩みの種である万引き防止にも効果がありそう。有料会員制は奥が深い。

(おまけ)

盤石に見えるコストコだが、オンライン化は遅れていて、最近アプリの会員カードを発行してe-mail等の顧客の情報を集め始めた様子。いかに来店して貰って、大量買いをして貰うかに注力していてオンラインのビジネスは出遅れた様子。顧客のロイヤリティは高いので順調に進捗すると思われる。

(おまけ)

上海のCOSTCO


出典:costco IRより
上海の中心から西に15kmぐらいの場所にある。
4階建で2−4階が駐車場になっている。
Costcoは1階建の建物が多いのでめずらしい。

(おまけ)GoogleMapでお散歩

コストコの1号店


出典:Google Mapsより
1976年に飛行機の格納庫を改造して作られたと言われる。
カリフォルニア州サンディエゴにあるコストコの1号店を発見。
複数に別れた建物と、斜めの屋根が格納庫っぽい。(個人的感想)

コストコの1号店(別確度)


出典:Google Mapsより
ここにもガソリンスタンドがある。左奥に小さく店舗が見えている事から、敷地の大きさがわかって貰えると思う。

場所はココ


出典:Costocoホームページより

左に住所が記載されている。

開業日


出典:Costocoホームページより
OpeningDateが1976/07/01になっているのでココであっているはず。

コストコ千葉ニュータウン


出典:Google Mapsより

日本のコストコにもガソリンスタンドがある。

コストコが出店する郊外のショッピングモール


出典:Google Mapsより
コストコの店舗を調べていると隣にウォルマートが立っていることが多い。競合しているとはいえ、コストコの品揃えは4千アイテムでウォルマートは10万アイテムだから、コストコに置いていないとウォルマートに買いに行く事もあるのかも知れない。
(最近、気になっているROSS Storesも左上にある。)

(おまけ)

一般的は話として、同じ製造元でもPBブランドの商品の場合、内容量が違ったりして、価格が単純に比較できないようになっていたりする。

(おまけ)

Webの情報では、価格を比較すると、コストコより安く他で売っている事もあるらしいが、コストコの利益率の低さや、売上高総利益率の低さを見ると、客寄せのバーゲンような一時的・例外的な誤差のように思われる。(財務諸表を見た個人的な見解です。)

(おまけ)

コストコとプライス・クラブは1993年に合併している。会社のロゴの赤(コストコ)と青(プライス・クラブ)はその名残の様子。

(おまけ)

アメリカは州の意識が強い。州ごとに法律が違ったり、税率が違ったりして、州ごとに許可を取らないといけなかったりする。(更には、州ごとに州兵の軍隊を持っていたりする。)

テキサス州ではお酒を扱う場合、別のお店と店員が提供しないとダメという法律があり(地元のロビー活動の賜物?)、ウォルマートやコストコのお酒の販売への参入を阻んでいた。他にも酒屋は日曜日には営業でき無いとか、午前10時から午後9時までしか営業でき無いとか、元日、感謝祭、クリスマスの日は営業でき無いとか決まりがあるようでカオスな状態。最近は許可が降りた様子。(まだ争っている最中かも。)

日本に来たアメリカ人にどこから来たのか尋ねると「アリゾナ州!」と国名で答えずに州の名前を答えることが多いが、ここからも州ごとの意識の強さを感じる

でも、アメリカに行った日本人がアメリカで「高知!」と答えると滑稽にうつるので、やっぱりアメリカ人はバカなのかな?という気もする。

 

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